東京の大手人材派遣会社のバックアップのもと北陸錦城市で女性ばかりの人材派遣を展開する新興の「百華クラブ」には、各種レセプションに華を添えるコンパニオンを派遣する特殊部門があった。洗練された美しい女性をパーティーの場に提供するこの斬新なもくろみは目覚ましい成功を遂げ、美しく矜り高い女社長のもと、マナーと容姿を厳しく躾けられ選別された美人コンパニオンたちのサービスは各所で好評を博す。 百華クラブで派遣コンパニオンのアルバイトをしている大学二年生の尾上友子は、ある夜Tホテルで催された医師会のパーティでの仕事を終えて、体の線をあらわにする大人びたチャイナ・ドレスのユニフォームを私服に着替える。好色な酔客たちへのサービスに努める緊張した時間に神経を使った後でも、友子は美しい容姿を生かしつつ異性の讃嘆の視線を集めるこの仕事に充実を感じていた。帰宅しようとした友子は、今日の仕事中に知り合った製薬会社販売員の青年・中山敏夫に呼びとめられ、心地よい誘いに応じるまま中山の行きつけのカフェバー「アルカトラス」に案内される。軽食とともに出されたワインとカクテルに酔いながら友子は年上の男の話に引き込まれて談笑し、高校も大学も女子校だった身に初めての恋愛を予感しつつ魅惑されていく。ふと襲いかかる強烈な眠気に憑かれた友子は、気づかう中山にバーから連れ出されて、手配されていた運転代行業者の車で送り届けられる。しかし友子のアパートに向かうはずだった車は、車中でぐっすりと眠り込んでしまった美しい女子大生をよそに別の方向へと向かい始める。その行く手には、狡猾な策略にまんまと欺かれた無垢な処女大学生の運命を暗転させ、女の恥辱の極みに引きずり落とすための、淫虐きわまる性の罠が口を開けているのだった。 |
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