都心に近い好立地のため客筋のよいことで知られる私立S病院の庭園の奥には、上流階級の休養に供される贅沢な養護病棟が建っている。Y病棟と略称される三階建ての瀟洒な建物には、美貌の婦長・山地敏江の指揮のもと、若い看護婦たちがなまめいたミニスカートの白衣で立ち働いていた。 夏の盛りのある昼下がり、私立S医大の理事長・小佐野賢造が入院している三〇三号室から、高看を出たばかりの二十歳の新人看護婦・高島朋子が狼狽して逃げ帰ってくる。うぶな処女の朋子は、小佐野と見舞いに来た愛人の江田京子との破廉恥な痴戯の現場を目撃してしまったのだ。敏江が行ってみると、敏江の高看時代の同級生でもあった京子が全裸に猿轡を噛まされ、股間にバラの花を挿入されてベッドに大の字に縛りつけられていた。S医大の内科医の江田と結婚して助教授夫人となった京子は、看護婦時代に処女を奪われ調教を受けた理事長小佐野のもとへ、請願のため体を捧げに来たのだった。かつての同僚に屈辱の姿を見られて小刻みに顫える京子に嗜虐欲を掻き立てられて、敏江はバラの花を抜いた秘肉に小佐野から渡された責め棒を埋め込んでゆく。じわじわと性感を焦らしたてる敏江のいたぶりに悶え泣きながら汗をしたたらせてのたうつ京子の口に、小佐野は垂れたものを咥えさせる。敏江は棘のついたバラの小枝を鞭代わりにして、うごめく京子の下腹に打ち込む。白い肌に血の玉を噴いて苦悶する京子の肉にサジスチンの欲望を昂ぶらせる敏江。口淫奉仕を続けさせられながら、小佐野の手にした小枝で乳ぶさを打たれ引っ掻きまわされて無惨な血の筋を縦横に浮き上がらせる京子の肉体は、やがて恍惚の絶頂を迎えて快楽を貪りつつ、痙攣する内股をなおも打たれ続けていた。 Y病棟とはまた「猥病棟」の別称でもあった。金と権力に飽いた上流階級の老人たちの爛れた情欲に奉仕するために建てられたこの快楽病棟を舞台に、高貴な美女たちの肉体を穢し尽くし辱め抜く淫の物語が始まる。 |
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