ちぐさ文学館

場面
新たな燔祭の贄 [ 6-1 〜 6-6 ]

<13>新たな燔祭の贄
『姦のカーニバル』 <<前へ 次へ>>
 十年前に妻と子を亡くしてから美しい女の死に取り憑かれた徳麿は、自分の死を前にして、裏切った愛人たちを一堂に監禁して処刑する残忍な計画にとりかかっていた。予定外の死を遂げた雅美のアルコール漬けの死体の光景がその妄念を加速させる。休養のため東京の自宅に戻った徳麿のもとに修平がもたらしたのは、新たな燔祭の生贄の拉致計画。和服の貴婦人役が似合う有名女優・淀貴美子は、芸能界への進出に徳麿の援助を受け愛人として仕えてきながら、ドラマで共演した若手俳優と情を通じて徳麿との離縁を申し出ていた。憎悪を裡に秘めた徳麿の復讐は、三十五歳の美人女優を愛人や娘もろとも奴隷牧場の性奴に堕とすための大がかりな陰謀へと結実していく。
 ドラマ撮影の打ち上げパーティーののち貴美子が愛人の土岐健作とともにホテルにしけ込んでいた夜、自宅マンションにいたひとり娘の女子高生アイドル・桂しのぶは、運送業者を装った長さんと六によって薬で眠らされる。意識のないまま無垢の肉体を暴かれたしのぶの顔と下腹に長さんと六が欲情の汚濁を撒き散らし、高校一年の処女は下着姿を後ろ手に縛られて連れ去られた。ホテルで健作との愛欲に溺れていた貴美子のもとに謎の電話がかかり、誘拐したしのぶを人質として貴美子と健作を呼び出す。
 
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ちぐさ文学館 - 姦のカーニバル - <13>新たな燔祭の贄
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