官能に崩れ切ったかおるは、兵六に抱きすくめられて為すがままに身を任せる。心中に秘めてきた磔刑の願望を探り当てられた女教師は、兵六に愛撫されながら全裸での磔を予告され、強引に唇を吸われて愉悦に崩壊していく。恍惚に呆けた秋月先生は、折しも享平のマンションを辞去してから立ち寄った由利子が鳴らしたチャイムにも、応じることができなかったのだった。 陥落寸前の女教師を抱かずに済ませた兵六は後日、かおると由利子を巻き込んだ淫靡な遊戯を享平に持ちかける。狙いをつけた女たちの運命をことごとく掌中にした享平と兵六は、周到に仕組んだ情欲の企みに女たちを翻弄させる時を想って心をはやらせる。しかしそれに先だって、由利子をつけねらう武と一に対する苛烈な報復の計画がもくろまれていた。 |
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