こうして和香は娘婿と通じ、薫は夫から見捨てられ、追放された浩治は眉子を道連れにして姿を消した。希望のない初冬の日常のなか、和香はある夜寝室に忍んできた善郎の求めに屈して背徳の情交に溺れ込んでゆく。猛蔵が使っていた縄で縛られ善郎の荒々しい愛撫にとろけていく和香の肉体は、薫への後ろめたさとは裏腹に激しい快楽の反応を返し、横たわった善郎の上で騎乗位で責められて絶頂をきわめる。逃れ得ぬ罪の交わりに諦念をつのらせた和香は、善郎の股間に顔を伏せてみずから奉仕を与えてゆくのだった。そのとき生理を迎えた薫が全裸で寝室に現れ、善郎の愛をせがんで嗚咽する。浩治の種を孕んでいないことが判った薫を、善郎は和香の前で貫いて喜悦に狂わせる。珠光寺に暮らす三人の男女の間に、妖しくも淫靡な和解が成ったのだった。 |
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