修平は私立病院長の集まりに福永病院長の代理として出席していた事務長の木島雄吉に接近し、料亭での接待ののちSMクラブの秘密ショーへと誘った。中年小太りのコンプレックスから木島が女に対して抱く倒錯的な欲望を見抜いた修平は、マゾ飼育した妻に会わせるためと称して木島を自宅へと招く。広大な屋敷に圧倒される木島を迎え出たのは、修平の妻を演じるよう命じられていた知世であった。艶やかな和服の知世の美しさと上品な挙措に意中の女・千尋夫人を連想した木島の妄想は、地下室の女体調教具の数々を見せられてさらに昂ぶる。贅沢な酒肴で手厚くもてなされ、酔いにまかせて露骨な好奇心を剥き出しにする木島の観賞に供するため、修平は湯文字一枚の裸に剥いた知世を後ろ手に縛ってパイプスタンドから吊り下げる。息を呑む木島の前で、羞じらいにけぶる白い裸身をうねらせながら修平の愛撫に乳ぶさを揉みしだかれた知世。興奮の極みに我を見失った木島の陰湿な愛撫を素肌に這わされて汚辱に悶え抜いた知世は、パイプスタンドから降ろされ丸木柱を抱いて両手を吊られ、湯文字を剥き下げられた尻に修平の鞭を打ち込まれて淫らな喘ぎを吐く。苦痛をこらえながら秘肉を濡らして昂ぶっていくマゾ奴隷は、情欲に錯乱する木島の容赦ない鞭で背面を打たれて剥き出しの尻を慄わせ続ける。 昂ぶりに憑かれた木島を送り返した修平は地下室で玲子と酒を酌み交わす。全裸を後ろ手に縛られたまま修平の股間に跪いて怒張に舌を這わせる知世を餌として、福永病院の暗部を握る事務長を籠絡し取り込もうとする計画が動き始めていた。いっぽう、目の当たりにした知世の痴態に欲情を掻き立てられた木島は、かねてから想いを寄せていた千尋夫人の美身に淫らな空想を重ね合わせて、その後も満たされぬ懊悩の日々を送っていた。旧華族出身の若奥さまへのかなわぬ恋慕に思い詰めた事務長は、修平が注ぎ込んだ淫欲の毒に操られるまま、福永病院に対する背信の道へと導かれていく。 |
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