ちぐさ文学館

場面
堕ちていく千尋 [ 11-1 ]

<31>堕ちていく千尋
『姦のカルテット』 <<前へ 次へ>>
 家族の眼を欺いて修平たちの呼び出しに応じるため、千尋は修平の要求に従ってエアロビクス教室に通う許しを夫から得る。洋装で外出し教室をさぼって黒木邸へと連れ込まれ、みずからの意思で夫への貞節を裏切っていく千尋の背徳の日々が始まった。命じられるままノーパン・ノーブラにスカートで現れた千尋は、黒木邸へと向かう車中でブラウスの下の乳ぶさをなぶられて昂ぶり、修平の股間に顔を押し伏せられて淫靡な口淫奉仕にはげむ。地下室で眼隠しをはずされた千尋はすすんで全裸になって修平の足元に跪き、ズボンから怒張を引きずり出して淫らにしゃぶりたてる。隷属の美を女体にまとった良家の若奥さまは、後ろ手に縄を掛けられ厳しく緊縛されて絞り上げられた体を荒々しく愛撫され、玩弄物に堕ちた美肉を鏡に見せつけられて羞恥に身悶える。幸福で慎ましやかな家庭の主婦からの惨めな転落に暗澹とする千尋をからかいながら、修平が持ち出してきた写真には、盗み撮りされた娘のえり子の制服姿が写されていた。男たちの欲望が向けられようとしている対象を予感した千尋は絶望と恐怖に戦慄する。
 
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