ちがだいすき
[短編] 血を見ることが大好きな女とその嗜癖に応えようとした男の愛が、不幸な終焉を迎えた。
大学生の忠俊は、同棲している恋人の有紀子が血に対する異常な執着をもっていることを偶然知って、SMプレイにはまり込んでいく。プレイを通して愛情と性感を深めていった忠俊と有紀子は、やがて互いの意識しなかった性癖に目覚めて、SとMを交替した愛戯に没頭する。男は責められて血を噴出させることで興奮し、女はその血を啜りあげることで激しく昂ぶる。互いの嗜癖が噛み合いながら順調に発展していくかに見えた恋人たちの関係は、しかし思いもかけぬ事故のために不幸な終わりを告げる。持病をもつ忠俊にとって、愛する女の血を飲むことは命にかかわる害をなしたのだった。
| 有紀子 (ゆきこ) | |
|---|---|
| 女子大生 19~20歳 |
地方から上京して女子大に通う二年生。演劇部を通じて忠俊と知り合い、同棲している。 処女 母 娘 姉 妹 従姉妹 伯叔母 近親 勝気 内気 異人 剥衣 撮影 恥毛 排泄 肉欲 膣交 淫具 菊門 拘束 射精 口唇 因縁 打擲 強要 虐待 刻印 |
| 有紀子 | ||
| 【001】鮮血に対する執着 | [ 1 ] | 有紀子 |
| 【002】目覚める異常性癖 | [ 2 ] | 有紀子 |
| 【003】異常性愛の結末 | [ 3 ] | 有紀子 |
【001】鮮血に対する執着 [ 1 ]
飛び散る鮮血への異常な執着に導かれ、大学生カップルははSMプレイに傾倒していく。
大学三年生の忠俊は、半年前に演劇部の公演を通じて女子大の二年生の有紀子と知り合い、自分のマンションで同棲する関係になっていた。ある時有紀子とのセックスで何気なくSMプレイを試みた忠俊は、後ろ手に縛られた有紀子の姿態に興奮して挿入と同時に鼻血を噴きこぼす。自分の胸乳に鮮血が滴り落ちるのを見た有紀子は激しく昂ぶり、いつにも増して肉の悦びを貪りながら忠俊の鼻血を啜りたててさらなる愛撫を求める。有紀子は子どもの頃から鮮血に対する異常な執着をもち、血しぶきが散る光景を見ながらオナニーにふける性癖があった。偶然の出来事がきっかけで新たな嗜癖に目覚めた忠俊と有紀子は、緊縛や鞭や蝋燭を取り入れたSMプレイに傾斜していく。
【002】目覚める異常性癖 [ 2 ]
血をめぐって性の快楽を深めるうちに、SとMとが転倒した新たな嗜癖が目覚め始める。
より深い性の快楽に目覚めた忠俊と有紀子は、さまざまなプレイを通じて互いの性感を発展させていく。有紀子は着衣の下に股間縛りをほどこされたまま大学に行き、人知れず股間を刺激してはオナニーにふける習慣を身につけるが、その時にも血にまつわる妄想が快感を高めるのだった。血を好むいっぽうで自分の肉体が傷つくことは恐れることから、有紀子は自分の性癖がむしろSであることを自覚しはじめる。忠俊のほうでも血を吸われることに快感を覚えて、自分のMの性癖に気づいていく。
【003】異常性愛の結末 [ 3 ]
互いの血を啜り合って愛を深める男女を思わぬ悲劇が襲い、流血プレイは結末を迎える。
忠俊は自分の性癖を確かめるためSMクラブに行き、Sの女王様から出血を伴うプレイを受ける。忠俊は全裸を吊られて鞭打たれ、注射針で作った吹き矢を体中の急所に突き立てられて鮮血を噴き出しながら興奮する。マゾに目覚めた忠俊は有紀子とのプレイにも注射針を取り入れ、針を刺されて体から噴き上がる鮮血を有紀子に吸わせる。有紀子は忠俊の体を舐め尽くして血を啜りながら激しく昂ぶる。そのころ忠俊は持病の胃潰瘍が悪化して吐血するが、いつもと変わらず有紀子との愛戯にはげむ。ちょうど生理を迎えていた有紀子も秘唇から出血するが、昂ぶりのさなかにその経血を啜った忠俊はにわかに苦しみだして絶命する。胃潰瘍のために剥き出しになっていた胃の毛細血管から、血液型の異なる有紀子の血が忠俊の体内に入って凝固を起こし、脳の血管を閉塞させたのだった。
| フランス書院『哀奴』版 [1988] | |
|---|---|
| 典拠 哀奴 「血が大好き」 |
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