ちぐさ文学館

場面
狩られる妹 [ 2-6 〜 2-10 ]

<04>狩られる妹
『姦のカーニバル』 <<前へ 次へ>>
 雅美と良輔を監禁した徳麿は誘拐の発覚を防ぐため、良輔と同居している短大生の妹、早苗と、雅美の友人だった別の愛人・ジュリエット英をも標的とする。ジュリエットが経営するブティックのアルバイト店員でもあった早苗は三日に及ぶ兄の失踪を心配してジュリエットに相談するが、その直後にジュリエットまでもが失踪してしまう。街で感じる奇妙な視線と、警察への連絡を戒める不審な男からの電話。不安を募らせて泥酔した早苗は、眠っている間に良輔の鍵を使って部屋に忍んでいた男たちによって内腿に刺青を施されていた。姿を見せぬ侵入者の痕跡に追いつめられ、錯乱して部屋を飛び出した早苗は、マンションの通路で出くわした二人の警官に助けを求めて部屋に招じ入れる。だが、捜査と称して卑猥な言葉を早苗に投げかけるその二人こそが侵入者だと気づいたときにはすでに遅く、徳麿の手先である二人の男、長さんと六によって、十八歳の女子短大生は地獄へと続く運命に引き込まれようとしていたのだ。
 
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