ちぐさ文学館

場面
千尋の売り渡し [ 15-2 〜 15-4 ]

<40>千尋の売り渡し
『姦のカルテット』 <<前へ 次へ>>
 彦太郎の四十九日が過ぎるまでの間、久美と千尋は喪も明けぬ体を繰り返し黒木邸に呼び出され、淫靡な責めによがり歔き女の痴態を曝しながら屈服の度を深めていった。木島が企画した医師たちの慰安旅行のために夫の雅彦が海外へと発った当日の夜、修平からの電話が身売りのための呼び出しを千尋に告げる。翌日、汚辱におののく千尋は悲愴な決意とともに艶やかな和装をまとって、黒木邸の地下室へと連れ込まれる。結婚初夜に着けていた緋の湯文字一枚に剥かれた千尋は後ろ手に厳しく緊縛された裸身を眼隠しのまま柱につながれて置き去りにされる。いつしか現れた別の男の気配に、羞じらいの裸身をよじらせる千尋を正面から凝視していたのは、福永病院の若奥さまに邪悪な恋慕を抱いていた木島であった。ついに目の当たりにした憧れの美夫人の裸に昂ぶりをこらえかねて、木島はうねりよじれる千尋の白い肌に愛撫の手を這わせる。羞じらいの悲鳴をあげた千尋は、からかいの声を掛けられた瞬間に男の正体を悟って、信じられぬ汚辱に絶叫する。眼隠しをはずされた美夫人の体を、欲情にぎらつく笑いを浮かべた下卑た小男がなぶりまわす。蔑み抜いた男に無防備な女体を思うまま弄ばれつつ修平と木島との関わりを聞かされ、仕掛けられた罠の深さに暗澹とする千尋。羞恥に錯乱する若夫人の腰から湯文字が剥き取られ、福永病院の院長夫人はなに覆うものもない全裸を軽蔑する事務長の前に曝した。観念しきれずに泣きじゃくる千尋は両足を固定され、腰にクッションを当てられて繊毛をたたえた下腹を曝し上げられる。しゃがみ込んだ木島に秘肉をくつろげられ肉芽を吸いたてられて、千尋は汚辱の悲鳴を噴き上げながら調教され尽くした女体を官能に崩されていく。女の矜りを根こそぎにされて泣きじゃくりながら、いたぶられる裸身を鏡に見せつけられて弱り果てていく若夫人。木島への口づけを拒んだ千尋は柱から解かれて、さらなる恥辱が待つ開脚椅子の方へと縄尻を引きずられていく。
 
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