ちぐさ文学館

場面
姦の四重奏 [ 19-7 〜 19-11 ]

<56>姦の四重奏
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 えり子が真由美とともに黒木邸に拉致されて処女を凌辱されたのと同じ日、福永家の他の女たちもまたそれぞれに背徳的な性の遊戯に溺れ込んで痴態を曝していた。雅彦と久美が逢い引きを示し合わせて外出した福永邸では、一人残った千尋が求めに応じるまま木島を和室へと引き入れて汚辱の奉仕にまみれるのを、木島と通じた百代が透かしたふすまから覗き見る。全裸で床柱に立ち縛りにされた千尋夫人は昼の光の中にくまなく曝した白い素肌を木島に眺めまわされ、羞じらいに裸身をうねらせながら股間を淫らに濡らしていく。肉欲に爛れた秘肉にバイブレーターを挿入されて責め上げられた上品な美夫人は、あられもない喜悦の声を放って絶頂をきわめる。柱から解かれた裸身を木島の前に正座させられた院長夫人は、格下の醜い中年男の怒張を口に咥えてしゃぶりたてながら情感をつのらせ服従の言葉を口にする。官能に崩れた千尋はあぐらになった木島の腰にまたがってつながり、淫らに腰を振りながら激しく昇りつめる。
 その晩の夕食の席には、背徳の一日を送ってそれぞれにやつれた四人の女たちが、互いの境遇も知らぬまま顔を揃えた。処女を失ったえり子の憔悴した様子を、注意深く眺める百代。福永病院の栄華を誇った四人の美しい女たちがそれぞれにたどらされる恥虐の運命は、福永病院の崩壊を飾る淫らな姦の四重奏の実現に向かう最後の段階に入った。
 
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