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珍場面セレクション vol.4 クリームなう

2012/07/10

『鏡の中の薔薇』[05]より

 トトロやゴクミなど時代の流行をいち早く作品に取り込むことにかけては定評のある千草先生ですが、1969年刊行の初期作品『鏡の中の薔薇』においてはついに、40年以上も時代を先取りしてツイッターを作品に取り入れていたことが判明しました。

『鏡の中の薔薇』56-57ページ 画像を拡大する

「クリーム」
 亜紀がルミに命じた。助手のルミは美容がはじまった今、主任の命令に応じてその時と場所に要求されるクリームの種類を選んで、すばやく渡さなくてはならない。ねっとりとしたクリームを両の掌にタップリ取って、亜紀は眼の前にあらわに横たわっている朋子の裸身と向かい会った。メスを取って、さてどう切り開いてゆこうかと一瞬思案する外科医を思わせる表情になった。
 外科医の両手が、固く上向きに盛りあがった双の白い丘を包み込むようにして、ゆるやかな運動を開始した。
 悲しげな呻きが猿轡の奥からもれた。
「シャトォ特製のクリームなのよ。女の最も女らしい部分を、最も女らしくするクリームなの。ほんのちょっとした羽毛のそよぎのような刺激にさえ鋭敬に反応するような繊細なお肌を作りあげるクリームなう


関連項目

参考:「なう」の意味と使い方

『鏡の中の薔薇』[05]

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