海底都市の騒乱は反乱者たちの優位のもとで総統と貴族たちを確実に追い詰めていった。裏切りと密告、そして処刑が日常茶飯事となった頽廃的な日々のさなか、改革派の貴族・魚津貴一郎が市民側に内通して和平の道を探る。総統は閣僚たちの猛反対を押し切って強硬な態度を貫き、魚津貴一郎の一家に死刑を命じて妻と娘を捕らえさせる。有能人である美しい人妻暢子と娘の中学一年の美少女みどり。拷問のすえ翌日には処刑される運命にある二人の女は、貫頭衣一枚の姿でおののきながら総統の訊問を受ける。夫の交友を問い質されても口を閉ざしてひたすら命乞いする暢子の態度は、死を目前にした美しい母娘の最後の夜を陰惨に彩る、おぞましい性の拷問を招き寄せるのだった。