婚約者とのデートと称して恭平の呼び出しに応じていた奈保子の嘘は、当の婚約者から立花家にかかってきた電話によって香枝に露見する。奈保子は姉に厳しく詰問されて恭平との関係を洗いざらい白状させられながらも、精液まで飲まされて屈服した男への想いを断ち切ることのできない弱い女へと変貌していた。翌日の放課後、塾長室に恭平を呼び出した香枝は奈保子への卑劣な振る舞いを厳しく責めたてる。侮蔑もあらわに恭平の解雇を通告する香枝に対して、不逞の本性をさらけ出した恭平は奈保子の凌辱写真の存在を明かして卑劣な取引を仕掛ける。写真を取り戻すため、憎悪を剥き出しにして解雇の取り消しを受け入れさせられる矜り高い塾長。しかし憤りに冷静さを失った香枝は、塾での引き渡しを嫌って凌辱写真を直ちに恭平の部屋まで取りに来ようとする浅慮が、おのが身にも凌辱の運命を招き寄せて性の汚辱へたたき落とす致命的な過ちになろうとは、まだ気づいてもいないのだった。