【七日目】翌朝、感情を失い放心しきった美奈の姿を見て倫也は調教の行き過ぎを悟る。美奈を芝生に引き出して裸のまま遊ばせた倫也は、美奈の感情を甦らせるために拘束を解いて風呂を使わせ身を清めさせる。監禁以来初めて自由を与えられ、当惑しながらあぶら汗にまみれた体を清める美奈の胸中にせめぎ合う複雑な感情。再び手錠をかけられた美奈は倫也の寝室に連れ込まれ、思い詰めたような倫也の表情からその意図を予感して狼狽する。しかし恥辱と困惑にすくみ上がる美女は、薬の入ったワインを飲まされて眠りに落ちた。
眠りから覚めたとき、美奈は自由な体で自分のアパートに寝かされていた。監禁の忌まわしい記憶に思い余ってすすり泣く美奈は、ベッドの傍らに、地下室で剥ぎ取られた衣服が綺麗に洗濯されて置かれているのに気づく。調教と飼育のなかで美奈に対する愛情を目覚めさせた倫也は、愛のない復讐のむなしさを悟って美奈を解放したのだった。暴力による征服の無意味さに苛まれた倫也は、美奈への感情をもてあましたままバーで酔いつぶれ、深夜に帰宅する。そのとき自室の暗闇の中で、ふと倫也の足元に寄り添う一つの人影。それは、一週間前と同じ服装で、頬を染めながら倫也の靴先にすがりつく驕慢な令嬢・美奈の姿であった。