その日の福永家の夕食の席は、平和な団欒のおもむきの奥に一家の者たちの複雑な思惑を交錯させていた。妻に隠れて女中や義母と通じ合った雅彦の昂揚、軽蔑する事務長に自室にまで入り込まれ玩弄の限りを尽くされた千尋の絶望、嫁を裏切ってその夫と交わった久美の後ろめたさ、そして股間のリングを絶えず意識させられる真由美の放心。黒木兄妹の手先として一家の胸中をすべて知りつくしている百代は、慎ましく給仕に控えながら、最後の生贄として残ったひとり娘・えり子の幸福な美少女ぶりに、暗い期待に満ちた吟味の眼差しを注いでいた。
【一週間後】久美との情事によって嗜虐の情欲に目覚めさせられた雅彦は、潔癖な妻に対する歪んだ欲望をつのらせていった。エアロビクスから戻って疲れを訴える千尋の食事に睡眠薬を混ぜた雅彦は、自室のベッドで昏睡している妻の傍らに忍び込んで、ネグリジェとパンティを剥ぎ取り、慎ましやかな女体を卑猥な恰好に拡げて玩味する。意識のない妻の乾いた秘裂に強引に怒張を押し込んで強姦凌辱の欲望を満たした雅彦には、千尋がその日黒木邸で刻み込まれた調教の痕跡に、気づくだけの余裕はなかった。