忍の美貌がキュウと歪み、唇が引き結ばれる。
忍による夕子の誘惑は、夕子の姉の夫・田中秀夫の差し金であった。秀夫は夕子の姉の里子と結婚する前から、忍のパトロンを続けていたのだ。四十歳を越える秀夫が二十五歳の里子と結婚することになったきっかけは、喫茶店で偶然にも里子の排便姿を目撃して、彼女の極度の羞恥心につけ込んだことだった。歳下の妻にマゾの調教を施して馴致した秀夫は、同居するようになった義妹の美しさに欲望を掻きたてられ、忍を利用して夕子をも陥れる罠を仕掛けたのである。忍との逢い引きから戻った秀夫は全裸にさせた里子を寝床にはべらせてなぶりながら、金鎖の褌を忍の手で嵌めさせられているという夕子の様子に想いを飛ばす。夫の態度に夕子への邪心を感じ取って不安に駆られる里子。後日、夕子の身を守るために、里子は夫の愛人である忍のなぶりものになることを承諾させられる。だが新妻が屈辱にまみれるその土曜の夜こそが、秀夫が夕子を襲撃する予定の日でもあったのだ。