古都・錦城市の国立大学国文科に通う女子大生の明子が「椎の木屋敷」と呼ばれる旧家・大垣内家の別棟に下宿してからひと月が経とうとしていた。都会育ちの好奇心旺盛な明子は、鬱蒼と茂った庭を抱いた広大な屋敷と、女主人の大垣内志摩の臈長けた魅力に惹きつけられる。志摩と娘のほかは下男の茂造とお手伝いの老婆キヨだけからなる静かな生活に、明子は満足とともに物足りなさをも感じていた。 タダ同然の下宿代の代償として、明子は志摩の高校一年の娘さやかの家庭教師を引き受けていた。男に対する怯えが抜けきらない高校一年の美少女と、高校時代に同級生のプレイボーイに騙されて処女を失っていた明子との間に、ほのかなレズの愛情が芽生え、やがて二人は風呂や寝床を共にするようになっていく。 |
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