その後ほどないある日、恭平は伸々塾に出入りしている教材販売会社のセールスマン・中川礼次から接待の申し出を受ける。授業の後に連れていかれた室生川沿いの料亭で中川が恭平の前に持ち出したのは、恭平と英子との密会と情交を証拠だてる報告書と録音テープだった。致命的な弱みを握られて激しつつも観念する恭平に、中川は伸々塾への裏切りを要請する。台頭いちじるしい大手進学塾「秀英セミナー」のまわし者である中川は、伸々塾を併呑系列化しようとする理事長・岩倉の意を受けて奔走していたのだ。SMの性癖を持つ恭平に対して中川が示した伸々塾乗っ取り計画とは、塾長の立花香枝と妹の奈保子を辱め、凌辱の現場写真を作り上げることであった。立花姉妹の美しさにそそられた恭平は、情欲に流されるまま陰険な征服計画へと引き込まれていく。