ひとり夜の無聊をかこつ田所のところを訪ねてきた意外な訪問客は、半年前に結婚して田所のもとを去った愛人・表香代であった。妊娠五か月を迎えた香代の幸福な人妻の風情に田所は欲望をたぎらせ、ふくれた腹を撫でまわしながら香代と口づけを交わす。夫との愛戯に飽きたらない香代もまたマゾの昂ぶりをあらわにして、地獄部屋へと連れ込まれる。田所は香代のドレスを脱がせて妊婦の全裸を剥き出しにし、後ろ手に縛り上げる。絞り上げられた乳ぶさから乳をにじみ出させながら、香代は内診台に乗せられて下肢を拡げられ、前後の秘腔を指でまさぐられてあえなく絶頂を極める。香代は床に正座して田所の怒張を咥えさせられ、四つん這いになって背後から貫かれる。アヌスを指で抉られながら、白裸の妊婦は膨れた腹を揺すって昇りつめる。田所への愛を忘れられずに情事をせがむ香代はパイプの両端に拡げた足首を固定され、鎖で吊られて逆さ吊りの裸身を宙に揺らす。振動するバイブレーターを秘裂に突きたてられた香代は衝き上げる快楽にのたうち、田所の怒張を口に含まされながら総身を痙攣させる。背徳の喜悦に昇りつめたとき、若妻は股間から血を噴いて流産を遂げていた。
香代を表川の医院に連れ込んだ田所は、欲望にまかせた振る舞いの残酷な結果に打ちのめされる。夕子夫人に慰められながら、流産を承知で田所に責められることを望んだ香代の測りがたい女の本性に戦慄する田所。香代が真相を秘したまま夫のもとへと帰ったのち、田所は男と女の業の深さと不可解さに思いをめぐらせながら、心浮かぬ日々を送っていた。