久子の表情に溶姫の面影を重ね合わせた男爵は、恭介の発案により、久子を溶姫に見立てた処刑儀式を執り行う。牢屋敷の裏手にある拷問蔵の中で、全裸に剥かれた久子は高々とそびえ立つ磔柱に大の字に縛りつけられ、白い裸身を蝋燭の光に照らし出される。別荘から和尚に連れ出された静が溶姫の侍女に見立てられ、湯文字一枚の後ろ手縛りを磔柱の足元の曝し台に固定される。野村の振るう鞭を尻にたたき込まれる侍女千草こと静の前で、男爵は先端に張形をくくりつけた槍をさらけ出された溶姫の股間に突き立てていく。子宮の奥を突き上げられて苦悶にのたうつ架刑の美少女と、狂気に憑かれたような男爵の狂態とを、痛ましげに見守る和尚と綾子。男爵の乱暴な呵責によって裂けた股間から血を流し始めた久子を眼にして錯乱する静は、湯文字を剥がれた尻に蝋涙を垂らされ乳首を炎で灼かれて絶叫をほとばしらせる。しかし極度の昂奮にとらわれた男爵はそのとき持病の発作を起こして倒れ、以後静養を余儀なくされる。
綾子は一連の溶姫の怨霊騒ぎが、心臓発作を持つ好色な男爵を死に追いやるために恭介が仕組んだたくらみだと疑い、和尚もまたそのことに感づいていることを悟る。その後久子の看病にあたった際に恭介と久子との関係を聞いて、綾子はその確信を深めていくのだった。