天狗楼の女郎に堕とされてからひと月ばかり、誇り高い武家娘だったミヤは連日の客取りと淫靡な勤めの数々によって稚い体に従順さと女のなまめきを加えてきていた。源氏名を美弥とつけられた幼い女郎は竜二郎が支払った父の保釈金の返済のため、好色な有力者ばかりをあてがわれて倒錯的な性の奉仕を強いられてきたのである。嗜虐趣味の軍需成金の弄びに供されることとなるミヤは今夜もまた、竜二郎の部屋の電燈の下で後ろ手に縛られたまま男の股間に顔を伏せて口淫の訓練をほどこされていた。ミヤの女郎としての進歩に満足する竜二郎は、そのとき庭先で持ち上がった騒ぎに気を取られて訓練を切り上げる。