翌日の夜、男爵と竜二郎は女たちに何も知らせぬまま平然を装って宴にふける。食事ののち命じられるまま着物を脱いで全裸を曝した三人の女は、後ろ手縛りの裸身を縄でつながれて昨夜と同じ淫虐が待つ小部屋へと追い込まれる。柱に立ち縛りにされた敦子の足元で、華子と百合子は並んで正座したままそれぞれの男の怒張をしゃぶりたてて女の屈服の果ての姿をあからさまに曝す。俯伏せに転がされて後ろから貫かれた母娘は揺さぶられながら淫らな泣き声を放って同時に昇りつめる。休む間もなく蜃咲膏を塗り込められた尻を貫かれ、あぐら座りの上に引き起こされた華子と百合子は、尻を串刺しにされて股を大きく拡げたあさましい女体の前面を互いに向き合わせて羞じらいのおめきを噴き上げる。ゆさぶられながら肉欲に躍りのたうつ淫らな痴態を見せ合った美しい母と娘は、喘ぎ歔く口を寄せ合わされ甘美な口づけを強いられつつ、すさまじい快楽に灼き尽くされて凄艶な絶頂を極めた。男爵と竜二郎は伸びきった母娘をよそに、敦子の足を竹竿の両端に拡げて縛りつけ、はだかった股間に張形を押し込んだうえ股縄を掛けて固定する。恥辱と快美に呻き歔く敦子の隣の柱に、華子もまた同じ姿に曝しあげられる。美しい姉妹が淫薬の刺戟に歔き始めるころ、折しも玄関を破って侵入した襲撃者たちが騒ぎたてながら座敷に踏み込む。小部屋の入口を破って殺到するテロリストに、男爵と竜二郎は敦子と華子の立ち縛りの女体を盾にして対峙する。襲撃者の先頭に立つ高崎雅彦は愛する敦子の姿を認めて憤激に我を見失い、女たちは驚愕の絶叫を噴き上げて泣きわめきのたうつ。男爵と竜二郎が放った銃弾に雅彦と襲撃者たちは無惨にも斃れ、華族の美姉妹は白裸に返り血を浴びたまま完全に失神する。
ひと月ののち、皇道派の青年将校によって企てられたクーデター「二・二六事件」は、かねてよりこの計画に与して天皇擁立を強硬に訴えていた高崎雅彦が不在だった結果、天皇命令によりあっけなく鎮圧されることとなった。