【夜】車に乗り込んだ途端に同乗の男に当て落とされた光子は、後ろ手錠に目隠しをされたままソファの上で目覚める。怯えに叫びたてる光子は二人の男に引き立てられて広い屋敷の奥座敷に連れ込まれる。引き据えられて目隠しをはずされた光子の前には、来島と名乗る老人が座っていた。法律事務所を構える夫の昌也が闇の組織を裏切ろうとした罪を告げるられ、夫婦ともどもなぶり殺しの制裁を告げられた光子は、初めて知る事実に混乱しつつ必死に許しを乞う。夫の命を救うために老人の奴隷になることを要求された若妻は、汚辱の運命を受け入れる覚悟もできぬまま、着物姿に腰縄を打たれ、コンクリートの地下室へと連れ込まれる。ソファに座らされた光子の正面のマジックミラーを通して、「なぶり殺し」の運命がどんなものかを思い知らしめる凄惨な情景が現れる。
マジックミラーの向こうの部屋では、一組の全裸の男女が地獄にも等しい責め苦にのたうっていた。鞭痕を刻んだ体を天井から逆さ吊りにされた男が、体中から滴る血で頭の下に血だまりを作りながら緩慢な死を待たされ、その傍の床に敷かれたマットレスの上では、白い裸体を後ろ手に縛られた若い女がヤクザの男二人がかりの凄まじい輪姦凌辱を受けていた。男の一人が女の下肢を抱えて激しく責めたて、もう一人の男が女の髪を掴んで荒々しく口を犯すのを、周囲ではさらに三人の別の男が順番を待って眺める。精根尽き果てて力なく揺さぶられるばかりになっている女もまた、朝まで犯し抜かれたあとは男の隣に逆さ吊りにされて殺される運命なのだ。口を犯していた男が欲情を弾き込んだのを機にやつれ果てた女の顔が曝しあげられると、光子は、その男女が夫の腹心である西村秀行と新妻の小夜と知って絶望の慟哭を噴き上げる。つい一年前に結婚し、三田家とは家族ぐるみで付き合いのあった西村夫妻もまた、昌也の裏切りの巻き添えとなって捕らわれたのだ。新婚間もない若妻には奴隷になる選択さえ許されず、泣いて許しを乞うたのにも構わずなぶり殺しの運命を与えられていた。俯伏せにされた小夜は腰を立てさせられて後ろから犯され、汗と脂にまみれて崩れる腰を繰り返し引き起こされて、顔をこちらにねじ向けられたまま責められ続ける。噛みしめた唇からこらえきれぬ歓喜の呻きが噴き上がる。じきに殺されると知り、夫の眼前で輪姦されてなお、肉の悦びにのたうちまわらなければならない女の運命のおぞましさに、光子は言葉を失うばかりだった。