有能人と判定された少女たちが入寮させられる白菊寮は、入寮のための「初夜の儀(イニシエーション)」の名のもとに国家権力者たちが十六歳の処女を破瓜させることが認められた「奴隷牧場」でもあった。二年間にわたり国家の管理下に置かれることとなる貴族の美少女たちの、入寮式に臨んで緊張と不安を隠しきれない顔ぶれのなかには、富士涼子もまた含まれていた。その夜、私服を許された涼子は絹紐で手首を前縛りにされ眼隠しをされて、イニシエーターとなる男のもとへ連れて行かれる。不安におののく美少女を迎えた声は、まぎれもなく総統のものであった。