翌日の夜、徳麿の喪に服する葛城牧場の地下では、徳麿を弔う陰惨な葬送の儀式が玲子の指揮により執り行われようとしていた。絞首台とギロチンを備えた処刑室の両側の壁際に高々と掲げられたキ字柱には、全裸を大の字に縛られた淀貴美子、桂しのぶ、ジュリエット英、村田早苗。徳麿の死を告げられて自分たちの運命を悟り、命乞いもむなしく磔にされていった女たちは、監禁生活にやつれ果てた裸体を燭台の鑞燭の灯りに照らしあげられたまま絶望と恐怖にがっくりとうなだれる。ワーグナーが響きわたるなか、玲子と修平が徳麿の棺を先導にし、全裸に足鎖を引きずってゴメスに追いたてられる奴隷姿の知世を従えて処刑室に現れる。泣き叫んで許しを乞う知世が正面の磔柱に架けられ、徳麿の妄執の生贄となった五人の女は奴隷に堕ちた無残にも美しい裸体を揃える。発狂寸前になった二人の男囚が処刑室に連れ込まれ、女たちの悲鳴と慟哭が響くなか、村田良輔は絞首台に吊され土岐健作はギロチンで斬首される。愛する男たちの死を目の当たりにして喪神のあまり首を垂れる女たちを電気鞭で目覚めさせた玲子は、徳麿の墓所にアルコール漬けの裸体を晒される運命に先立って奴隷として生きる猶予を女たちに与える。放心しきって恐怖におののく五人の女奴隷に凄惨な末路を宣告する地下王国の新たな支配者・黒木玲子の声だけが処刑室に響きわたるのだった。