【8月5日】
実業家・八代梁太郎が所有する日本海沿いの大リゾート地で別荘番に雇われている大庭晃は、水着姿の若い女を襲撃する妄想にひとりふけっていた。そのとき梁太郎の愛娘・法子の東京からの電話が急な客の到着を告げる。法子の婚約者の妹・佐々木葵が夕方に着くというのだ。その二日後には法子とその婚約者・佐々木信哉、そのさらに三日後には梁太郎の後妻・百子とその娘・久美。すでに別荘の掃除を済ませていた晃は地下室へ降り、ロープを結びつけられた天井のパイプや壁に打ち込まれた鉄環を入念に調べる。主人・八代梁太郎に関わる女たちを陥れる、晃の秘められた計画が始まろうとしていた。