秘書の和子からサンクに掛かった緊急の電話は、誰も予想すらしなかった望月ゆかりの突然の自殺の報を告げた。その夜、公演を成功裏に終えたゆかりは華やぐスタッフ一同をよそにさりげなく席をはずし、直後にJプロのビルの屋上から身を投げたのだ。みきとユカを帰して直ちに執務室に戻った襄は、チーフ・マネージャーの比企らとともに善後策を処置しつつ、完全に条件づけされたはずのゆかりの不可解な自殺に不審の念を抑えきれない。
人気アイドル望月ゆかりの自殺は、ファンの少年少女たちにも深い衝撃を与えた。その後しばらく、後追いと見られる若者たちの自殺が相次ぐなか、ゆかり自身の自殺の理由は依然として謎のままであった。