金縛りにされた袖香織を乗せたアシルの車は、佐々木の勧めるSMホテル「ギャグ(口枷)」へ向かい、地下の駐車場に停まる。淳と佐々木の叛心を見越したアシルは香織に対する責めへの同席を求め、二人とともに地下三階のプレイルームへと降りる。暗い色調で統一され深紅のカーテンと絨毯で妖艶に引き立てられたその部屋には、枷付きのスタンドや磔柱、女体解剖椅子をはじめとして、女体を苛むおどろおどろしい責め具の数々が立ち並んでいた。ビデオで見た異界人の非情な地下牢を思い出した淳の何気ない質問に対して、アシルは自分たちの元の世界にはこのような責め具が存在しないことを迂闊にも明かして激しく狼狽する。なおも問いかけようとする淳たちを厳しく拒んで、アシルは強力な念力で縛りつけていた香織への凌辱を二人に促す。金縛りを解かれ、悲鳴をほとばしらせつつあらがう和装の美女を力ずくで組み伏せてアシルの前に突き出す淳と佐々木。だが、アシルは自由の身でもがきまわり叫びたてる女の姿に、奇妙にも激しい恐怖を示してたじろぐのであった。