ヤクザの情婦の触れ込みで最初の売春客をとらされることになった夕子夫人は、介添え人役の竜に伴われて薫夫人が取り持った二人の男・須山と金子が待つラブホテルへと連れ込まれる。床柱と責め具を備えて夜具が敷かれた和風の部屋に曳かれていった夕子は、二人の客が夫の部下と知って驚愕と恥辱に絶叫する。娼婦の覚悟も萎えて羞じらい暴れる夕子は竜の手で着物を剥ぎ取られ、長襦袢姿を前手縛りにされて欄間から吊り下げられる。竜が退出したのち、二人の男は上司の妻の妖艶な半裸に取りついて卑猥なからかいを浴びせ、屈辱に泣きむせぶ美夫人を裸に剥いていく。奴隷の愛のあかしである刺青とリングを下衆な男たちに曝して、売春の惨めさに泣き悶える夕子夫人。表川は田所らとともに覗き部屋から様子を見ながら、夕子の苦悶に胸の痛みを感じていた。