英子を見出せずに捜索を断念して引き返そうとした徹夫と由紀子は、広大な洞穴の中で道を見失ってさまよう。徹夫が出口に向かってチョークで印しておいた道しるべは、姿も見せずに立ち回る老人たちによって消され書き直されていた。偽りの矢印に導かれるまま竜神洞の深くに導かれた二人は、大広間を流れる地下水脈に行き当たる。ふいに対岸に現れた光が照らし出したのは、女たちの屍蝋の林に混じって石筍に鎖で繋がれた英子の、地下水を全身に浴びた蒼白い全裸体であった。老人たちが竜神洞のたたりを言い立てながら瀕死の英子の顔を曝し上げ、妹の命と引き換えに由紀子の引き渡しを要求する。激情に駆られて対岸に渡った由紀子は老人たちに捕らえられ、後を追った徹夫も大勢に打ちのめされて縛り上げられる。石筍から解かれて泣きじゃくる英子の前で、由紀子は命乞いをしながら老人たちによる辱めを覚悟する。