【一か月後】こずえに対する宮里の激しい調教は、飽くことなく続いていた。宮里が訪れる夜ごと、こずえは全裸に首輪を嵌められて四つん這いに這わされ、バイブレーターをぶち込まれて幾度も絶頂を極め続ける腰を鞭でしばかれながら、延々と口を使わされる。くたくたになった体を後ろ手に縛られ、俯伏せに立てた尻に浣腸をほどこされたこずえは、排泄の苦悶の後でようやく体を洗われ、三面鏡の正面の椅子に掛けた宮里の腰に前向きにまたがらされて背面座位でアヌスを犯されるのが常であった。尻を犯されながらなおもバイブレーターで責められ、汗まみれの白い裸身をのたうちまわらせて繰り返し絶頂を極めさせられるこずえは、ボロボロになった肉体に果てもなくたたき込まれるアヌスの快楽に恐怖し、肉の愉悦に中毒していくおのが女体に絶望する。だが、ふとしたきっかけで聞き出した宮里の性癖にまつわる秘密が、この性地獄から逃れる最後の機会をこずえに与えた。かつて婿養子として亡き妻に対して頭の上がらなかった宮里は、妻が眼病で眼帯をしたまま臥せっていた時、不意に視線への怯えから解放され、病床の妻に襲いかかって思う存分に責めぬくことができたというのだ。初めて犯す女の視線に恐怖を抱くという宮里の性癖を知ったこずえは後日、教え子と称するセーラー服姿の女子高生の半身写真を宮里に見せて、マスクを付けさせて処女を提供しようと持ちかける。
淫具で処女を奪われた日の後、こずえの手でありとあらゆる性の調教をほどこされたくみ子は、どんな淫らな責めにも激しく悦ぶ快楽の奴隷へと変わっていた。全裸を後ろ手に縛られてベッドに転がされたくみ子の前に全頭マスクを持ち出したこずえは、マスクをかぶせられて怯えるくみ子の口にゴム棒を押し込んで声をふさいだうえ耳栓をつめ込む。視覚も聴覚も奪われたくみ子は、敏感になった素肌に加えられる予測のつかないいたぶりに焦らしたてられ、繊細な愛撫に稚い肉を灼かれて激しく昇りつめる。
マスクで顔を隠さないと女を犯せない父と、マスクで顔をふさがれたまま快楽に昇りつめることを覚えた娘とを互いにそうと知らぬまま交わらせるというこずえの邪悪な復讐が、まもなく成就しようとしていた。交わりの後、娘を犯したことを証拠写真とともに宮里に告げて罪の恐怖に陥れ、その偏執的な性欲をくじいて汚辱の生活から解放されようというのが、こずえの秘めた企みだったのだ。だが一方で、すでに肉の愉悦を知り尽くした自分のアヌスが、麻薬のような快楽から今さら解放されうるものかどうか、こずえは不安をぬぐい去ることができなくなってもいた。