ふっくらと実った乳ぶさが、恥ずかしげに上を向いた乳首が、痩せさらばえた老人の胸に押しひしがれ、割られた内股の蒼く血管を透かせた肌が、渋皮をこすりつけられて、おぞましげに鳥肌立った。
由香のういういしいセーラー服姿にあらためて欲情をつのらせた老人は、松沢が由香に惚れていることを知りつつ、由香を犯したのちに全裸で閉じこめるための檻を松沢に調えさせる。その夜、いつもどおり老人の床を延べた由香は、夜伽を命じられて老人の邪な欲望を知り、懸命に哀訴して許しを乞う。老人の非情な命令を受けた松沢は感情を押し殺して由香の着物を剥ぎ取り、湯文字一枚に剥いた美少女を後ろ手に縛り上げて鴨居に爪先立ちに吊りあげる。身ぶるいしながら憐れみを乞う美少女は、松沢に乳ぶさを揉まれながら老人の手で湯文字を剥ぎ取られ、処女の無垢の裸身を曝した。寝床に移されて大の字に縛られた由香は、観念しきれずに悶え泣く不服従の態度をとがめられ、老人がしゃれこうべから取り出した張形を口に押し込まれる。亡き志津の娘の惨めな泣き顔に欲望を猛らせた老人は、瞬間的に精悍さを取りもどした剛直で美少女の処女を貫き、苦悶に痙攣する処女の肉体を責め苛む。だが、陶然となった老人が口走る自分の出生の秘密を、犯されながら初めて聞かされた由香の胸中には、老人への抜きがたい憎悪が宿った。罵りの言葉を口にする由香に対して、老人は息を切らせつつ監禁と調教の運命を宣告する。
由香は泣きもしなければ哀訴もせず、牢の中に入れられるがままになっていた。
反撥をあらわにする由香を全裸後ろ手縛りのまま座敷の牢の中に閉じこめた老人が、翌朝、気分よく目覚めると、雨戸を締め切った屋敷は静まり返って物音もしていなかった。松沢までもが寝坊したものと信じきって牢に赴いた老人は、格子の錠がはずされて由香が姿を消していることを知る。松沢を呼びたてつつ屋敷の中をむなしく探し回った老人は、松沢が老人を裏切り、愛し合う由香とともに逃走したことをようやく悟る。脱力してへたり込む老人を嘲笑うかのような志津のしゃれこうべの中には、あの雌蜘蛛もすでに居なかった。しゃれこうべを粉々に踏みつけながら一人逆上する老人。雌蜘蛛に脳を喰われたかのように気がふれた老人の笑いが、誰もいない初夏の屋敷に響いていった。