そしてあからさまに外気にさらされた部分に、えたいの知れないねっとりからみつくような感覚を受けたとき、夕子は背すじを高々としなわせて魂消えんばかりの悲鳴をあげた。
母が急逝したのち姉夫婦のもとに引き取られて居心地の悪さを覚えながら暮らしていた短大一年生の夕子は、夏休みも終わろうとする頃、一人の美女に呼びとめられる。高級ブティック「しのぶ」の女主人の永山忍と名乗るその女は、夕子の美貌に目を止めて店員のアルバイトを誘いかけてきたのだ。憧れの高級店での仕事に舞い上がって働き始めた夕子は、九月に入ったある日、忍に籠絡されて性の快楽を教え込まれる。忍のマンションで手作りの食事に誘われ、華麗な雰囲気に眩惑された夕子は、気づいたときには忍に唇を奪われ、なすがままにレズ愛撫に引きずりこまれていた。全裸でベッドに横たえられ、忍の巧みな舌の愛撫で絶頂を極めた夕子は、その日以来、勤務中にも人目を盗んで女主人と愛戯にふけるようになっていく。忍は張形を使って夕子の秘唇をなぶりあげ、男に愛玩される陶酔と不安とを処女の心身に忍び込ませていく。
夕子はシーツを掴んでのけぞり、少女らしくもないみだりがましい呻きをほとばしらせて達した。
忍による夕子の誘惑は、夕子の姉の夫・田中秀夫の差し金であった。秀夫は夕子の姉の里子と結婚する前から、忍のパトロンを続けていたのだ。四十歳を越える秀夫が二十五歳の里子と結婚することになったきっかけは、喫茶店で偶然にも里子の排便姿を目撃して、彼女の極度の羞恥心につけ込んだことだった。歳下の妻にマゾの調教を施して馴致した秀夫は、同居するようになった義妹の美しさに欲望を掻きたてられ、忍を利用して夕子をも陥れる罠を仕掛けたのである。忍との逢い引きから戻った秀夫は全裸にさせた里子を寝床にはべらせてなぶりながら、金鎖の褌を忍の手で嵌めさせられているという夕子の様子に想いを飛ばす。夫の態度に夕子への邪心を感じ取って不安に駆られる里子。後日、夕子の身を守るために、里子は夫の愛人である忍のなぶりものになることを承諾させられる。だが新妻が屈辱にまみれるその土曜の夜こそが、秀夫が夕子を襲撃する予定の日でもあったのだ。
稚なげな胸のふくらみに、かつては姉をいましめ汗を絞らせたドス黒い縄が食い込み、足首までキッチリそろえて縛りあげてあった。
秀夫が口実を設けて先に帰った後、さらにベッドに大の字に縛られて忍とのレズ愛戯でくたくたにされた里子は、全裸の体にコートだけをまとった姿で忍の車に乗せられ家に連れ戻される。玄関で裸に剥かれ、後ろ手にくくられて、夫の愛人の鞭で尻をしばかれながら夫婦の寝室に戻った里子が目にしたのは、大切な妹が秀夫によって全裸に剥かれ破瓜を強いられた体を床柱に立ち縛りにされているという、危惧していた最悪の光景であった。一足先に帰宅した秀夫は眠っていた夕子を襲って全裸に剥きあげ、後ろ手に縛った処女を寝室に連れ込んでいたぶりながら忍との密会を白状させたうえで処女を奪ったのだ。凌辱の証のキスマークを体中に刻まれたまま姉と全裸の対面を果たした夕子は悲痛に泣きじゃくりながら、姉と同じ屈従の運命を受け入れるかのようであった。立ち縛りを解かれ、双頭張形を着けた忍に犯されていく妹の苦悶を見やりながら、里子もまた、姉妹そろって墜ちたマゾの運命を受け入れて秀夫の愛撫に身をゆだねていくのだった。