ちぐさ文学館

シチュエーション
宙吊り (綾部 美香)

爪先が床を離れるまで宙に吊られる。
隷属系  関連する調教メニュー: 吊刑  
綾部 美香 [ 女子大生 / 18歳 / 長期監禁型 ] - 『快楽病棟』<15>処女姫快楽崩壊
 衆人環視の中で全裸を吊り下げられ脚を開くことを強要される。
   滋彦と敏江の間ですでに手はずはととのっていた。滋彦が壁際のハンドルをまわすと、美香の両手を吊った鎖がキリキリ巻き上がってゆく。
「ああッ……やめてッ」
 長く伸ばした爪先が床を離れると、美香はおびえと苦痛のないまざった悲鳴をあげた。汗まみれの、甘い匂いを放つ肉体がユラユラ揺れながらゆっくり回転し始めた。痙攣する爪先がむなしく踏む所をまさぐっている。
 こうして吊されると、まだ成熟味の薄い肉体は、いたいたしいばかりで、いまや下肢で隠すことさえ不可能になった下腹の飾り毛のむら立ちが、ひときわ可憐な風情をそえる。
「腕が……腕がもげちゃうッ……」
 ゆっくり回りながら、美香は叫んだ。桜貝のような爪をつけた爪先が、床から二十センチの所で足掻いている。
(…中略…)
 下を向いて足台の位置を見た美香は、悪魔のような意図を理解した。悲痛な呻きをあげて激しくかぶりを振った。
「お兄さまッ……たすけてッ」
 道也は胸を裂かれる思いだ。が、その桜貝の爪を付けた可憐な爪先が、腕に加わる苦痛に耐え切れずに、空をまさぐりだすのを見守っているより仕方がなかった。
「ああッ……く、くるしい……」
 つい昨日まで苦痛のクの字さえ知らなかった美少女が苦痛のあまり素っ裸を宙に躍らされているのだ。キリキリ鳴る鎖のきしみがその哀れさを見る者の胸に捻り込む。

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