ちぐさ文学館

シチュエーション
宙吊り (高島 朋子)

爪先が床を離れるまで宙に吊られる。
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高島 朋子 [ 看護婦・メイド / 20歳 / 長期監禁型 ] - 『快楽病棟』<28>凄惨なる処刑
 逃げようとしたところを捕らえられ、天井から吊られて凄惨な拷問を受ける。
   それと二メートルの間隔で真っ白の優しい姿を無残に引き伸ばされているのは、道也の逃亡の手引きをした高島朋子にまぎれもない。
 二人とも両手を頭上に伸ばして天井からの鉤にブラ下げられ、爪先を床から十センチあまりも浮かしているのである。
 二人とも頭をガックリ前に折って、美香が入って来たのにも気付かぬげなのは、すでに長時間の責めに気力も精も尽きはてたためだった。一糸まとわぬ全裸のいたるところに紫や赤の鞭痕が刻み込まれ、ビッシリあぶら汗を浮かせている。
 筋骨逞しい道也の肉体には、それも一種の勲章のように思えないこともないが、哀れなのは朋子の方だ。ただでさえ骨細で華奢な彼女の体が、雪肌をみみず腫れや赤い痣で汚しつくされ、汗まみれに吊るされているさまは、悲惨を通り越して酸鼻でさえあった。
(…中略…)
 大川は太いゴム紐を出してくると、それでブラジャーでもかけるように乳ぶさを引き絞った。もうそれだけで激痛におそわれて、朋子は絶えだえに泣き悶えはじめる。
 ゴム紐で締め上げられた乳ぶさはまるでパンパンの半球をそこに取りつけたように、蒼い血管を浮きたて頂点をいまにも弾き出さんばかりにとがらせている。大川がいたずらにそれをつまんだだけで、朋子は宙に浮いた爪先で空を蹴って反り返った。
「朋子、恨むのなら、お前が死のうとまで心中だてしたこの男を恨め」
「く、くるしい……ほどいてッ……」
 朋子はしわがれ声でやっとそれだけを口走った。爪先がたえず痙攣するように床上十センチの所で揺れている。

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