それから一週間、若い夫婦の生活を綿密に偵察して生活のパターンを調べ上げた信吉は、定職のない気楽な二人が眠りについているはずの朝を狙い、漏電の検査員を装って襲撃を実行する。朝九時に夫婦の部屋を訪れた信吉は、ベッドから抜け出して迎え出たアキを騙して部屋に上がり込んだうえ、ガウン姿の若妻にナイフを突きつけて脅す。後ろ手に手錠をかけてガムテープで口をふさいだアキを居間に連れ込んだ信吉は、寝室のベッドでまどろんでいた正哉に間髪入れず持参の消火器の噴射を浴びせて、悶絶する若い男を打ちのめした。白い粉まみれになった正哉は後ろ手に縛られて居間の柱に立ち縛りにされ、ガムテープで口をふさがれてがっくりとうなだれる。信吉は恐怖にすくみあがるアキを脅しながら、脅える若妻に過日の屈辱と復讐の意志を思い知らせる。こみ上がる怒りにまかせて無防備な正哉を殴りまくる信吉の暴力を目の当たりにして、アキはみじめに許しを乞う。自由を奪われた気位の高い若妻に対して、信吉の復讐心は淫虐な情欲へと高まっていく。