ある雨の降る深夜、切羽詰まった様子で竜也の部屋に助けを求めてきたのは、パジャマの上にレインコートを羽織っただけで雨にずぶ濡れになった君子であった。激情に頬を火照らせた美少女は、問いただす竜也に対して、母のところに押しかけていた番匠に襲われかけてかろうじて逃げ出してきたことを告げる。君子の美貌に眼をつけた番匠は母娘丼の妄執に取り憑かれて、口実をもうけて君子の部屋に押し入ろうとしたのだった。母の愛人への激しい嫌悪を口にする君子は家に帰ることを拒み、あろうことか、母の体をも番匠から奪うように竜也に懇願する。美少女の奇抜なアイデアに一瞬たじろぎながらも、美しい母と娘の母娘丼の蠱惑にそそられて提案に乗る竜也。竜也は君子を偶然保護した住人を装い、自宅で不安に苛まれる母・美保に電話をかけて、自分の部屋へと誘い出す。竜也に捕らわれた娘を演じるためにパジャマ姿のまま猿轡をされてパイプスタンドに吊られた君子は、倒錯的な淫劇の始まりを予感して胸中の昂ぶりにわなないていた。息せき切って竜也の部屋に現れたワンピース姿の美保は、導かれるままに室内へと上がり込む。そうとも知らずに魔性の男の部屋に捕らわれた優雅な未亡人は、そこに娘の無惨な姿を目の当たりにして驚愕の悲鳴をあげる。