不安に苛まれつつひとり空虚な午後を送っていた千尋のもとに武彦からのふてぶてしい電話が入り、千尋の身と引き換えにえり子を解放するという卑劣な取引を持ちかける。母性愛に衝かれるまま、修平に相談もせずに申し出を受け入れた千尋は、指示されたとおり和服で外出して武彦が遣わした車に乗りこむ。サングラスで視界をふさがれたまま、どこにあるとも知れぬ武彦の仕事場へ連れ込まれた千尋は、チンピラたちがたむろするむさ苦しい部屋に引き込まれ、無惨な姿に変わり果てたえり子と再会する。扇情的な赤いスキャンティだけを身につけさせられ、後ろ手に縛られて乳ぶさを胸縄に締め上げられた素っ裸の愛娘は、猿轡をされたまま、天井から縄尻を吊られて立たされていたのだ。拘束を解かれたえり子は、すがりつく千尋と抱き合ってむせび泣く。えり子の身代わりとなって辱めを受けることを覚悟した千尋と、それを悟って母を気づかうえり子。だが、かばい合う母娘を前にして武彦が企んでいたのは、美しい母と娘をともども素っ裸に剥きあげて母娘丼にかけるという淫虐な仕打ちであった。かつては家族の一員だった男のあまりの非道さに母も娘も声を失う。