義父に犯されながら悦びをきわめてしまったことで、園子は逆に女としての肚を据えた。贈収賄スキャンダルの紛糾によって桧垣がついに母娘を買い取ることができぬまま退院した後も、園子は正道の病室をしばしば訪れては、猛りたつ義父の慰みものとなって、淫らな医療行為に励んでいくのだった。
死期の近づいた神野老人は最期の望みとして、臨終まで千尋の看護を受け、千尋の女体を味わいながら逝くことを修平に願い出る。老人の願いを快く承諾した千尋はかいがいしく神野に付き添い、献身的な看護を続けた。老人の臨終が迫るなか、修平に命じられて全裸になった千尋は老人の腰にまたがり、興奮剤で最後の力を得た怒張の上に腰を落としていく。天女にもまがう美夫人の湿った秘肉にくるまれながら、神野老人は静かに息を引き取った。
死者との交わりさえをも臆せずに受け入れた千尋への感謝と愛情を告げながら、修平は千尋の肉体を愛撫する。奴隷の愛を囁き返しながら、修平との甘美な交わりに溺れ込んでいく千尋。黒木修平の嗜虐の愛は長い女体調教遍歴の果てに、男の欲望を余さず受け入れながらみずからも悦びをきわめていく千尋という女を得ることで、ひとつの愛のかたちを完成したかのようであった。