華族の血をを引き、ミッション系女子大を卒業したのち実業家の夫と結婚した若き貴婦人・都城顕子は、その圧倒的な美貌によって社交界でも崇敬の的となっていた。上流社会の遊び好きな不良青年・戸田信彦は、子どものない顕子夫人を誘惑して不倫を仕掛けることに成功するが、情欲の床にあっても顕子は積極的な反応を示さず信彦の高慢な自信を打ち砕いた。屈辱にまみれた信彦は、画家である知人の堀尾繁喜を誘い、顕子夫人の肖像を描くように仕向ける。野獣派の流れに属する堀尾は、美女をあえて醜悪に描き出す露骨な作風で評判となっていたのだ。都城家の邸宅に招かれた堀尾と対面した顕子夫人は、その粗野な外貌に当惑しながらも絵のモデルとなることを承諾する。数日後、創作の様子を見物しに堀尾のもとを訪れた信彦は、奥のアトリエから洩れ聞こえる嬌声をいぶかって覗き見る。そこでは黒ビロードのドレスに盛装した顕子夫人がモデル台の上の椅子に掛けたまま、そのドレスを乱され、拡げた股の間にしゃがみ込んだ女の手で剥き出しの股間をなぶられて淫らに喘ぎ歔いていた。貴婦人の淫らな崩れぶりを傍らで見守っていた堀尾は、覗き見をしている信彦の存在に気づくと、唖然とする信彦を非情にも締め出す。