過失致死の罪で訴追された狂介は、久右衛門老人がつけた弁護士の奮闘にもかかわらず懲役二年の刑を宣告される。プレジャーランドを離れて刑務所暮らしを始めた狂介のもとには、かつて調教した女たちが足繁く面会に通う。売れっ子のプレジャーレディとなったのぶ子、島田に身請けされる文乃、そしてそんな母への反発から「表」のプレジャーレディを目指し始める早苗。女たちの運命の変転に思いを馳せながら、美香を殺したことへの後ろめたさにつきまとわれて日々を送る狂介のもとに、里子が老人に遣わされて面会に訪れる。野暮なモンペ姿ながら眼をそばだたせるばかりの美しさの里子を見て、狂介は、自分に本当に美香に対する未必の殺意がなかったのかどうかを疑い始める。里子は老人に命じられるまま下腹の毛を剃り取ったものを狂介に贈り、ひたむきな面会を重ねながら、狂介への静かな愛を燃やしていく。やがて老人の許しを得て、八王子の屋敷での同居を申し出る里子。しかし狂介は、ひとたび愛する女を手にかけた記憶から逃れることのできないまま、申し出を受け入れることをためらい続けていた。