会員たちの熱気覚めやらぬなか、佐古の意向で非売品とされた佑子を除く三人の女が競売にかけられる。「桃苑会」の例会に出席したことがきっかけで恋人に裏切られ、谷口外志夫の手に渡ったのち堀江謙介に調教された女子大生の立松由紀枝は、三十万円で白髪の老人に買い取られ、美しい人妻の小杉眉子は六十五万円で競り落とされて連れ去られた。続いて売りに出された河野希世子は、パトロンとして今後の生活一切の面倒を見るという条件のもとで、三百万円で落札される。希世子の新たな主人となったのは、かねてから希世子に横恋慕して言い寄っていた産婦人科医の垣内であった。思いもかけなかった屈辱に悲痛な悲鳴をほとばしらせる希世子は、一枚の着衣も許されぬまま、見守る一同のなかを垣内に曳かれて去る。ビデオカメラを構えた二人の男が、惨めに曳かれていく希世子の姿を記録しながら後に従った。