悲嘆に暮れる久と久兵衛を残してアトリエに戻ったのも束の間、伸介は、十時を過ぎても雪乃が帰らないことで不安に憑かれた典子に電話で呼び出される。父が出張中の広い屋敷に一人残された典子は、伸介の姿を見て安堵のあまり甘えかかる。ほどなく帰宅した雪乃は帰宅が遅れた理由を言い繕うが、その姿には不自然なやつれの翳りがあらわだった。母の帰宅に安心した典子を下がらせた雪乃は伸介を引き止め、促されるままにその日起こった悪夢を語り始める。
昼過ぎに外出した雪乃は、人通りのない通りにさしかかったところで、道に停めてある外車から現れた男たちに襲われて車内に連れ込まれた。恐怖にすくみ上がる雪乃を乗せて発車した車の助手席では、ヤクザへと転身した五郎が残忍な笑みを浮かべていた。絶望に塗り込められた雪乃は眼隠しと後ろ手錠をされたままラブホテルの地下駐車場へ連れ込まれ、真っ暗な小部屋へと引き込まれる。マジックミラーから覗き見せられた隣室では、関西に出張しているはずの夫・建男が、若い女と愛欲を貪っている最中であった。夫の不倫を目の当たりにさせられ、衝撃に呆然となっているところに五郎から情事を迫られた雪乃は、逃れ得ぬ窮地に陥って絶望に慄えつつ支離滅裂の哀訴を繰り返すばかり。業を煮やした五郎は、手下のチンピラたちの前で雪乃に掴みかかって着物を脱がし去り、上流階級夫人の湯文字一枚の半裸を柱に立ち縛りにする。下卑たヤクザたちの環視のなかに白い裸体を曝されて恥辱に悶え泣く雪乃は、湯文字を剥がれ全裸を曝しあげられて号泣する。五郎は誘拐の手間賃として美夫人の秘肉を見せつけたうえで手下たちを下がらせ、積もりに積もった情欲と怨念を雪乃の女体にぶつけていこうとするのだった。