凌辱のショックに朦朧となった槙子は、浴場で汚れた体を清めてロビーに出たところで工藤丈士に出会う。槙子との逢い引きを期して待ち構えていた丈士に誘われるままバーに連れ込まれた槙子は、投げやりな思いのまま深酔いして身を委ねる。暗い部屋のなか、処女を奪われたばかりの体を愛する男に与えながら、槙子は愛を囁く丈士にしがみついていった。
【日曜】翌日の午後、青山の自宅に戻った周造を後妻の芙美子が迎える。円地先生との面談の首尾を訊ねる妻を適当にあしらってごまかしつつ、周造は美しい若妻を昼間から愛玩にかかる。女を知ったらしい息子の様子に一抹の不安を覚えながらも、芙美子もまた愛する夫との愛戯に満たされていくのだった。