裸女は天井から下がった鎖に水平に吊るされた棒の両端に手首を縛られて、真っ白な両腕を万歳のかたちに吊られ、下肢は鉄球のついた鎖にそれぞれ拘束されて大きく拡げられていた。
不安定な政情に動揺しテロと恐慌に震撼する戦間期の帝都、目白の高台に広大な屋敷を構える貴族院議員・須黒道明男爵の邸の門を一人の長髪長身の男がくぐる。貴公子にまがう颯爽たる体躯に着流しを羽織ったその美貌の青年は、放蕩に身を持ち崩したうえ子爵令嬢強姦事件を起こして社交界を追放されていた華族家の子息・日下竜二郎であった。女衒としてなりわいを立てていた二十八歳の竜二郎は、今もまた、屋敷の外で父とともに乞食をしていた娘を女郎屋に売るため買い取らせたところであった。
取次ぎも介さずに勝手を知った須黒邸の地下蔵へ降りていった竜二郎は、男爵が誇る地下の拷問蔵で、天井から吊るした全裸の娘を責め問うている男爵にまみえる。宙に水平にぶら下がる棒の両端に手首を縛られ、鉄球のついた足枷で下肢を大きく拡げさせられた若い娘は、腹と太腿に鞭痕を刻んでがっくりとうなだれていた。不義を咎められる女中の小夜の正面では、密通の相手である書生の寺田が丸裸でX字架に架けられた傍に、男爵の忠実な助手である唖の大男・牛太が巨体を佇ませる。汗にぬめる小夜の裸体は吊りをゆるめられて肘掛け椅子に開脚で固定され、極限の羞恥に呻き泣きながら、竜二郎に乳ぶさを揉まれ男爵に秘肉をくつろげらて、寺田との純情な恋を誓った処女の秘肉を曝しあげられていく。上海から輸入した特製催淫クリーム「蜃咲膏」を竜二郎から渡された男爵は、小夜の浅ましい裸形を眼にして怒張を反り返らせている寺田を解き放ち、愛する生娘の女の秘肉に淫薬を塗り込めるよう命じる。怒張の根をくびられて壊死の恐怖に怯えながら寺田は泣き叫ぶ小夜の股間を舐めまわし、こらえ切れぬ昂ぶりにわななく処女の肉芽と菊の蕾に淫靡な薬を塗りたてていく。やがて耐えきれぬ肉の快美に灼かれて、腰を振りたて蜜を垂れ流しながら汗まみれの裸身を反り返らせるおぼこ娘は、牛太の醜悪な怒張を眼前に見せつけらえて恐怖の悲鳴を絞る。竜二郎は淡い恥毛に隠された小夜の肉芽を剥き上げて、粘液にまみれる敏感なしこりを擦り上げる。男爵に乳首を揉みなぶられた小夜は汗まみれの裸身をひくつかせて屈服の喘ぎを放ち、檻に入れられて憤辱に絶叫する寺田の前でベッドに運ばれ四肢を拡げて縛りつけられる。腰枕を当てられて生贄の肉唇をさらけ出したまま、汚辱にすすり泣きつつ肉欲に慄える小夜の女体を、男爵と竜二郎は二人がかりで責め上げていく。男爵の怒張で肉芽を小突きまわされ性の陶酔に溺れ込んだ小夜は、強引に押し込まれてくる剛直に処女肉を引き裂かれて激痛の絶叫を噴き、内股を鮮血に染めてのたうち悶絶する。激しい苦悶に呻きのけぞる未通女の白い肉を残酷に責めたてながら、男爵の意識は長年かけて仕組んできた一つの計画へと及んでいく。男爵の奥方・敦子の実父である加賀美子爵は今まさに死に瀕し、家督を継ぐべき長女の華子はすでに婿養子を亡くして、金融恐慌で抱え込んだ多額の債務により没落の淵に立っていた。華族の貴婦人・華子とその娘の女学生・百合子は、債務を肩代わりした男爵によって引き取られるべき境遇へと落ちる。好色な男爵の庇護の下に置かれることとなる高貴な華族の母娘に対して、どのような淫らな運命が用意されているのか、知っているのはいまだ竜二郎ばかりであった。
子壺にじかにブチ込まれる衝撃と灼けるような感覚に、お小夜は白眼を剥いて痙攣しつつ失神してしまった。
佳境に入った凌辱の楽しみは、動転した様子の執事が男爵を呼びに地下蔵に現れたことで中断させられる。男爵に代わって竜二郎が屋敷の玄関へ赴くと、先に娘とともに屋敷に招き入れた乞食が短刀を振るって暴れたすえに警官に取り押さえられたところであった。男爵に土地を奪われ姉娘を身売りさせられた元士族のその男は、妹娘とともに乞食に身をやつして復讐の機会を窺っていたのだ。竜二郎は男を警官に引き渡し、憎しみに眼を炯らせる娘を屋敷に引き取ることを申し出る。
地下室では、破瓜の血にまみれた小夜が精液に穢し尽くされた股間を男爵にいじられながら伸びきっていた。いましめを解かれた小夜は後ろ手縛りのまま寺田の檻の前に引きずり出され、処女を散らされて無惨に爆ぜた女体を恋人の前に曝したてられる。竜二郎はむせび泣く小夜の裸身をいびりまわし、忿怒に慄える寺田の正面にあぐらをかいて後ろ手縛りの小夜を前向きにまたがらせていく。恋人に裸体を曝して背面座位で貫かれ、出血の止まらない秘裂を奥まで突き上げられる激痛に悶絶する小夜。初心な娘は苦悶にのたうつ華奢な女体を揺さぶられながら、喘ぎ泣く口に酒を流し込まれ、淫薬をしたたらせた男爵の筆の先で剥き上げられた肉芽をくすぐり上げられる。秘肉を灼く疼きに責められた小夜は、淫靡な喘ぎを噴きつつ汗まみれの総身をゆすりたて屈服の歔き声を放って生まれて初めて知る女の悦びに崩れていく。恋人の痴態を目の当たりにして絶望の慟哭を噴く寺田を嗤いつつ、男爵はこじ開けさせた娘の口に怒張を押し込み、女にされたばかりの稚い体を竜二郎とともに上下から揉みくちゃに責めたてる。竜二郎は貫いたまま小夜の体を回して向かい合い、肉欲にまみれて喘ぎのたうつ娘の体を女衒の技巧の限りを尽くして追い上げ責め上げる。自由になった可憐な口からよがり声を高々と噴き上げて肉の愉悦に舞い躍った小夜は、寺田がこらえきれずに噴出させた精を尻に浴びながら凄艶な女の崩壊の絶頂を演じてのけぞり返り、悦びに痙攣する秘肉の奥に精をたたき込まれて失神する。
ほつれ毛を噛みしばって一種、凄惨な貌をガクンとのけぞらせたお小夜は、四肢を激しく痙攣させつつ、悶絶してしまった。
夜毎の調教で小夜を責めなぶり骨抜きにする日々のさなか、須黒男爵は、父である加賀美子爵の逝去に伴って葬儀のため生家に戻っていた年若い敦子夫人の帰宅を迎える。喪服に身を包んだ二十歳ちかくも年下の夫人の臈長けた美貌にあらためて嗜虐の情欲を煽りたてられる男爵の胸中には、巨額の負債を残した子爵の死によって寄る辺のなくなった加賀美家の女たちを、子爵家の体面を救うために手を差し伸べると見せかけて淫虐の贄に堕としていく残酷な計画が渦を巻いていた。女学生時代に恋人の高崎雅彦と一度きりの甘美な交わりを持ったのち年上の男爵と政略結婚させられた敦子夫人は、男爵が心中に秘めた嫉妬と暗い情念が、姉の華子・その娘の百合子ともども凄惨な運命を我が身に用意しているとも知らず、今度の葬儀で十年ぶりに再会した雅彦への恋慕に思いをつのらせていた。
別室で眠っていた敦子は、夜半に寝室に押しかけてきた夫の姿に驚くいとまもなく情交を迫られ、羞じらいにあらがい悶える。これまでの結婚生活にはない夫の無法な振る舞いに抗議する敦子の前で、傲慢さを剥き出しにした男爵は隣室に控えていた小夜を寝床から引きずり出して長襦袢と湯文字を剥ぎ後ろ手に縛り上げた全裸を曝し上げる。小夜が隠し持っていた付け文により、寺田が男爵への復讐を期して屋敷を出奔したことが暴かれる。夫の傲岸さに逆上して離縁を申し出た敦子は、力ずくで押し伏せられ寝衣の上から後ろ手の縄を掛けられて床柱の根元につながれる。恥辱に慄え泣く敦子に見せつけるように、夜具の上に横たえられた小夜は両脚を引きはだけられ女の秘肉を明かりの下に曝される辱めに嗚咽する。剥き出しの割れ目を指で擦りたてられ肛門をなぶられた小夜は淫らな女の喘ぎを噴いてのたうちまわり、男爵の怒張を求める浅ましい屈服の言葉を口にする。おぞましさに慄える敦子の前で男爵に貫かれた初心な女中は、わずか十日で調教され尽くした白裸を汗まみれにのたうたせながら、淫らな絶頂を極めて痙攣する女体の奥に精を弾き込まれて悶絶する。
お小夜は座敷いっぱいに吹きすさぶ淫風に酔ったようになって、みずから細腕を男爵の首にからめ、舌をさし込んだ。
淫戯を見せつけられ寝衣から掴み出された乳ぶさを男爵になぶりまわされて昂ぶりをこらえきれない敦子は、小夜が退いたベッドの上に泣き叫び許しを乞いながら引きずり上げられて仰向けの開脚に足首を縛られる。これまでの房事にさえ夫の眼に曝すことのなかった白い素肌を天井の明かりとスタンドの光に曝し上げられ、縄にくびられた敏感な乳ぶさを女中の前でいびられて恥辱にむせび泣く貴婦人の腰から、腰巻が容赦なくむしり取られて女の秘奥をさらけ出される。長い結婚生活のあいだ抑え続けてきた欲望を一気に解放して妻のあからさまな秘肉をなぶり肉芽を擦りたてる男爵の指の責めに、汚辱の叫びを迸らせつつも成熟した女体の官能を突き崩されていく敦子。男爵の怒張を握らされながら敦子の股間に引き据えられた小夜は、公家の令嬢でもある高貴な奥方が曝している淫らな女の肉のありさまに陶然となって、男爵のいたぶりに淫液を吐く秘肉を命じられるままにくつろげ肉芽に口をつけていく。快美に引き痙る肉芽を女中の舌に吸い上げられ、淫液にぬめる男爵の指を肛門に突き立てられて抉られた奥方は、激烈な肉の愉悦に錯乱してのたうちまわりながら、汗まみれの裸身を二度つづけて絶頂に追い上げられる。朦朧となったまま敗残の人の字を曝して伸びきった敦子に見せつけるように、男爵は小夜に怒張をしゃぶらせて奉仕させる。唾で濡れ光る夫の怒張への口づけを拒んだ貴婦人は男爵に口を吸われながら、逃れるすべのない足指を小夜に舐めしゃぶられて秘めてきた性感帯を暴かれる。慎み深い女の肉をドロドロに崩れさせきった公家の貴婦人は、崩壊の痴態を小間使いの眼前に曝したまま、縛めを解かれた下肢のあわいに男爵の猛る怒張を押し込まれていく。肉欲に灼かれる女体を焦らしたてられた敦子は浅ましい屈服の喘ぎを吐いて剛直を求め、子宮を突き上げられただけで総身を痙攣させて悦びをきわめる。射精をこらえた男爵はつながったまま敦子の体を俯伏せにして、後ろ手縛りで腰を立てさせた獣の姿でさらに犯す。逞しい抽送にゆさぶられ惨めに泣きじゃくりながら剥き出しの尻の穴を指で抉られ掻き回された敦子は、喉を枯らして錯乱しのたうちつつ、総身を反らせて昇りつめ失神する肉の奥に激しい精をたたき込まれた。精液を垂れ流す股間を小夜の手で始末されながら嗚咽する華族の貴婦人にとって、それは言語に絶する恥虐の生活のあまりに唐突な幕開けであった。高崎雅彦との密通を言いたてた男爵は、訊問を口実として敦子を地下牢に監禁するべく、素っ裸に縄付きの奥方を深夜の廊下に引きずり出す。寄るべを失い丸裸の罪人に堕とされた敦子は、盗み見る女中たちの好奇の眼に曝されながら、つい昨日まで主人として君臨していた屋敷の中を、酸鼻な性の呵責が待つ闇の地下牢に向かって曳かれていく。
お小夜のそこは、須黒男爵邸にいた時同様、こちらに来ても毛を生やすことを禁じられているのだ。
華族界への復帰をもくろむ竜二郎は謹慎の外観を取り繕いながら、男爵にあてがわれた屋敷で小夜を妾にして暮らしていた。別荘での百合子の凌辱写真を見返すにつれ稚い令嬢への欲情をつのらせる竜二郎は、堰かれた欲望を小夜へと向ける。夏の真昼、竜二郎にビールを給仕したのち浴衣姿で床柱に立ち縛りにされた小夜は、胸をはだけられ、湯文字を剥がれた下腹をなぶる扇風機の風に無毛の秘裂をおびやかされて羞じらいにうなだれる。日に日に竜二郎への愛しさをつのらせながら想いを秘めつづける小夜は、竜二郎に口を吸われ無毛の秘裂をなぶられながら情感に昂ぶっていく。しかし二人のその痴戯は、一人の女客の訪問によって中断された。
引き離される前、二人は男爵邸の地下室に押し込められ、法度を犯した罪と称して言語に絶する辱めを加えられた。
小夜との密通を咎められて須黒男爵邸を追放されたのち土居赫心に拾われて綾子付きの運転手となった寺田は、男爵への恨みを秘めたまま、今日も綾子に随行していた。綾子の悲鳴を聞きつけて屋敷に踏み込んだ寺田は竜二郎の妾に収まっている小夜に出くわしてさらに逆上し、短刀を手に部屋へ飛び込んできたのだ。竜二郎への憎しみをあらわにし、短刀を握りしめて突進してきた寺田によって竜二郎は脇腹に深手を負う。死にもの狂いの格闘のさなか、竜二郎に蹴り上げられて転倒した寺田の短刀は、かつての恋人にすがりつく小夜の横腹に深々と突き刺さった。鮮血にまみれて倒れた小夜は、呆然と抱き上げる寺田に謝罪と愛の想いを告げる。ようやく気を取り直した綾子が医者を呼ぶのを、手負いの竜二郎は朦朧となって見つめるしかなかった。その日の夕刻、須黒男爵家の人々に見守られながら薄倖の娘は十七歳の生涯を閉じる。出血多量による昏睡から回復した竜二郎は、小夜の死と綾子のはからいによる寺田の自首を病床で聞かされて、憐憫と後悔の情に苛まれる。
快方に向かってきた竜二郎は上流階級用達の大病院に移されて男爵の見舞いを受ける。竜二郎や林謙介とともに暗殺を予告する斬奸状を受け取った男爵は警戒を強めて、自らも身につける護身用のピストルを竜二郎に渡す。しかし養生の床にあっても、竜二郎はの脳裏には再会を念じる百合子姫の美貌が絶えず去来していた。