ぬめりとした唇が重ね合わされ、意志に反してゆるんでしまった唇の奥に、なまぬるくなったシャンパンがチロチロ垂らし込まれてきた。
「雅会」の二次会で味わった強烈な刺戟からまだ覚めやらぬ頃、眉子はひとりで華英に招かれてQホテルを案内される。室内温水プールに誘われた眉子は、用意されていたハイレグの水着に着替えて華英とともに泳いだのち、サウナルームで疲労した体に全身美容をほどこされて生気を取り戻す。全裸にバスローブを羽織っただけの姿でXフロアに上がった眉子は、豪奢な客室で華英に勧められるまま口にしたシャンパンに心地よい酔いを深めていく。三国美也とみどりの母娘が華英のペットにされていることを聞かされた眉子は、自分もまたペットとして華英に選ばれたことを悟りつつ、もはや甘美な昂ぶりにあらがうことができない。口を吸われながら乳ぶさと下腹に華英の手を這わされて陶酔にぐったりと弛緩する眉子の耳に、別の女の淫らな喘ぎ歔きが聞こえてくる。気がつくと、傍らには華英の夫でQホテルのオーナーである久我秀一郎が、バスローブにくるんだ精悍な長身を佇ませていた。羞じらう眉子の美貌を讃美しながら秀一郎が部屋を仕切っていたカーテンを引き開けると、そこには湯文字一枚の裸を後ろ手に緊縛された美也が、ビニール製の馬にまたがらされたまま縄尻を吊られて曝されていた。首縄をかけられた罪人の姿で馬上に揺られ、半眼になりよだれを垂らしてやつれ果てた裸女の凄艶な姿態に、眉子は妖しい戦慄を覚える。バネ仕掛けの馬が秀一郎の手で揺さぶられるたびに、美也は乳ぶさを揺らし淫らな喘ぎを噴いて馬上に悶える。湯文字が剥ぎ取られ、馬の背に取りつけられたペニスが美也の股間に深々と突き刺さっているさまが暴き出される。眼を瞠る眉子の前で、馬を揺さぶられつつ秀一郎の鞭を尻にたたき込まれた美也は、あぶら汗にまみれてのたうちながら凄絶な絶頂を極めて反り返った。
縄で締め上げられている乳ぶさが苦しい息の下でズキズキ疼き、ちょっとした外気の動きに触れてさえ乳肌がヒリヒリし、乳首がうごめくようだ。
馬から降ろされて華英の足元に引き据えられた美也の凄艶な美しさに、眉子は陶然とする。秀一郎と華英は気力を失った眉子に責めを体験するように誘いかけ、弱々しく拒絶する眉子の体から強引にバスローブを剥ぎ取る。全裸をすくみ上がらせて縮こまる眉子は、華奢な腕を華英に後ろ手に捻じり上げられ手首を縛り合わされて、突き出した乳ぶさを秀一郎になぶられて屈辱に呻く。豊かに満ち張った乳ぶさを縄で締めあげられ、首縄と腰縄までかけられて美也と同じ罪人の姿にされた眉子は、生まれて初めて縄を知る女体を華英にいたぶられて被虐の快感に身悶える。愛用の十字架のペンダントを緊縛された首に垂らされ、殉教のキリシタンの人妻に見立てられる眉子。秀一郎が剥き出しにした怒張を美也がしゃぶらされるのを眼前に見せつけられた眉子は、美也の唾液に濡れそぼつ剛直を突きつけられ、嫌悪に喘ぐ口に押し込まれる。夫にさえしたことのない淫技を強いられて惨めに呻き泣く眉子は、やがて膨れ上がった秀一郎の剛直を抜き取られ、顔から胸元にかけて熱い白濁の洗礼を浴びせられる。
狂ったように乱れ髪を振りたてて眉子はのたうちおめき、泣き叫んだ。
縄尻を曳かれて鏡の前に立たされ、汚辱の洗礼を受けたおのが裸体を見せつけられて羞じらう眉子は、おぞましい馬に乗せ上げられると知ってむなしくあらがう。剥き出しの尻に鞭をたたき込まれて無理やり馬をまたがらされ、不安定な体を吊り縄に支えられて馬上の囚女となった眉子は、機械仕掛けで馬の背にせり上がってきたバイブレーターを無防備な秘肉に突き立てられて汚辱に絶叫する。バネ仕掛けの馬上で揺られ、みだらにうごめく尻に鞭を入れられつつ淫具の振動を入れられて妖しい快楽の踊りを踊った全裸の女囚は、錯乱のよがり歔きを噴きつつ絶頂を極める。朦朧となった眉子は馬から降ろされ、処刑台に見立てたダブルベッドに大の字縛りに磔にされる。刑吏に扮した秀一郎が濡れそぼつ秘裂を巨大な剛直で貫き、絶えだえの悲鳴をあげてのたうつ美しい殉教の人妻を荒々しく責めたてる。椅子に掛けた華英は股間に美也を引き据えて、欲情に濡れる秘肉を舐めしゃぶらせる。快楽に灼かれた眉子は汗まみれの裸体をのたうたせ凄艶な悲鳴を噴き上げながら、大の字の四肢を痙攣させて昇りつめ、子宮の奥に熱い精をたたき込まれる。
たまりかねたように眉子までが不自由な腰をビクビクうごめかし始めた。
秀一郎と華英は、呼び出した眉子と美也を全裸で股間に引き据えて奴隷の奉仕をさせながら、美也の娘のみどりを破瓜させる計画を語り合う。双頭の淫具を用いて母親に娘の処女を破らせようとする非道な企みに、美也は痛切な悲鳴をほとばしらせて哀訴を噴き上げる。みどりに見立てられた眉子が両脚を開脚縛りにされてベッドに仰向けに転がされ、双頭の淫具を腰に嵌められた美也がその股間に押し出される。惨めさに泣きながら、わななく腰を突き出して眉子とつながり合っていく美也。一本の淫具を咥え合った二人の美女は衝き上がる肉欲をこらえきれず、あられもなく腰を振り合いながら昇りつめる。
眉子は念入りに化粧された顔を鏡に向けたまま、うつろな眼を開いている。
「鳳凰の間」で開かれる「犀の会」の例会には、会員が調教した四人の女を奴隷として売買する宴が企画された。ステージの前に四本の曝し柱を立てた台が設置されている大広間で会員の男たちが立食パーティーに興じているのとは対照的に、ステージ裏の仕度部屋で出品の準備をほどこされている四人の女たちは屈辱と恐怖に慄えわなないていた。堀江謙介によって妻の身代わりに売りに出されることになった女子大生立松由紀枝、佐古貞義の手で調教され尽くした銀座のママ三谷佑子、秀一郎と華英の愛玩物に堕ちた人妻小杉眉子、そして亡き千種忠平の愛人で渋谷のフランス料理店オーナー河野希世子。腰に布一枚だけをまとったあられもない半裸をそれぞれに緊縛された奴隷たちは、期待に昂ぶる会員たちの前で、スポットライトに照らしあげられたステージに縄を曳かれて連れ出される。気も遠くなる羞恥のなかでそれぞれの高貴な素性を暴かれ、奴隷に堕ちた肉を衆目に曝してうなだれる女たちは、一列にならんだ曝し柱にくくりつけられて、腰の布を一斉に取り去られる。羞じらい身悶える女体を取り巻いて、会員たちの熱気と興奮に満ちた視線はあからさまになった女たちの下腹へと集中していく。
ぬるぬるにまみれた指は眉子の死ぬほどの羞じらいとは裏腹に、楽々と尻の穴を犯して入って来る。
「犀の会」と「雅会」の合同パーティーでかねてから面識のあった弁護士の日野に買い取られた眉子は、後ろ手縛りの裸身をプレイルームの天井から吊られて陰湿な吟味を受ける。慇懃な言葉づかいで裸体を批評されなぶり抜かれた眉子は、最後に残ったスキャンティを剥き下ろされて羞じらいにのたうつ。眉子の下腹に顔を埋めて汗に湿った秘肉をまさぐった日野は、片脚に掛けた縄を吊り上げて眉子を片脚立ちにさせる。隠すこともできない秘裂をいたぶられた眉子は、淫液に濡れた日野の指をアヌスに突き立てられて錯乱の悲鳴を噴き上げる。
垣内によって忠平が息絶えた部屋へ連れ込まれた希世子は、後ろ手の裸身を天井から爪先立ちに吊り下げられ、部屋の中までカメラを持ってついてきた男たちの前に曝される。垣内は希世子を買い受けるために出した三百万円を、「犀の会」会員の速水と小田と共同で出し合っていたのだ。三人の男の情婦として生きるこの先の人生を思って屈辱に泣きむせぶ希世子は、下肢を拡げて床に固定され、顔を伏せられないように髪を吊られた恥辱の表情をカメラに曝しながら、尻に鞭をたたき込まれる。乳ぶさをなぶられながら代わるがわる鞭打たれて泣き叫ぶ希世子。乳首を噛まれ、肉芽を擦られ、秘肉に淫具を抽送されながら尻を激しくしばき上げられた希世子は、忠平への想いを胸に抱きつつ断末魔の痙攣とともに昇りつめた。
眉子は悲鳴と呻きと嗚咽に身を揉みながら、それでも落ちまい首を吊られまいと必死に爪先で体を支えている。
奴隷競売の宴が果てた後の深夜、売り飛ばされた女たちのその後の境遇に思いを馳せて悶々としていたフロア・チーフの田辺良平の前に、いきり立った男がナイフを手にして現れる。眉子の不行跡を知って逆上した夫の小杉清志が、妻の乱倫の現場を押さえるために乗りこんで来たのだ。凶暴さを剥き出しにした清志に逆らうこともできぬまま、良平が清志をプレイ・ルームに案内すると、跪いて日野の怒張をしゃぶりたてていた眉子は、夫を眼にした驚愕のあまり失神する。清志は日野と良平を縛りあげ、全裸の妻の白い肉体に見境のない暴行を加えていく。体中を蹴りまくられた眉子は首に縄を掛けられてスツールの上に立たされ、絞首の恐怖で脅迫される。命乞いの悲鳴を噴き上げつつ夫への隷属を誓った眉子は、清志のナイフで両の尻たぼに「K」の字を刻み込まれる。吊りから降ろされた眉子は夫の足元に跪き、その怒張をしゃぶりたててマゾの恍惚へと没入していくのだった。
開脚椅子にMの字開脚で縛りつけられた希世子は、あからさまに曝した秘肉に膣開口器を差し込まれ、大きくくつろげられて濡れそぼった体腔の奥を三人の男たちに覗き込まれる。屈辱に泣きむせびながら膣の中を小突きまわされる希世子は、アヌスに埋めこまれたバイブレーターの振動を入れられて、淫液を吐き出しつつ悶えのたうつ。隷従を誓う希世子の口の中に男たちは次々と怒張を咥え込ませ、奉仕させながら絶頂を極めさせる。くたくたになった体をベッドに運ばれた希世子を待っていたのは三人がかりの凌辱だった。仰向けに横たわった垣内の腰にまたがらされて貫かれた希世子は、背後から身を寄せた速水に尻を犯され、前後から荒々しくゆさぶられる。絶えだえの喜悦の歔き声を噴いてのたうつ希世子の口に、小田が怒張をねじ込む。三人の男を受け入れさせられながら、希世子は無上のマゾの悦びに昇りつめていった。
上流階級の者たちにのみ許された快楽の楽園ともいうべきXフロアで、マゾ奴隷となった女たちは夜毎の荒淫にまみれて肉の快楽を貪っていくのだった。