彼女の短いスカートの裾は太腿の半ばまでたくれ上がり、膝はゆるみ切っている。
次の「桃苑会」月例会の余興として企画されていたのは、会員有志による奴隷市場のパフォーマンスであった。会員が奴隷商人に扮して自分のパートナーを競りにかけ、競落した者とパートナーを交換してその夜を楽しもうというのだ。かつての「魔女あらわしの儀」以来、愛人同士となっていた谷口外志夫と上城しのぶは、新たな余興に昂ぶりを覚えて参加を決める。
例会の当夜、会員の早坂浩は新入りの立松由紀枝を伴って余興に興じていた。舞台の上に引きずり上げられた女たちは、売られる奴隷としてそれぞれの趣向を凝らした衣裳を環視の中で引き剥かれ吟味の眼に晒されていく。身売りされた中東の王女、ヤクザに捕らわれた女子高生、駆け落ちの罪を咎められた商家の小町娘が、全裸を曝しものにされて売り飛ばされる。桃苑会の淫らな余興を初めて見る由紀枝は、激しい羞じらいのうちにも妖しい昂ぶりを抑えきれなかった。
よもやこれほどの辱めが待っていようとは夢にも思わなかった。
恋人に見捨てられ外志夫の手に渡されて部屋に連れ込まれた由紀枝は、想像もしていなかった成り行きに怯え動転して、埒もない哀訴を繰り返す。思いもかけず初々しい獲物を手に入れた外志夫は、懸命に許しを乞う初心な小娘の困惑ぶりに嗜虐の欲望を高めて、あらがう由紀枝をベッドに突き飛ばし乱暴に追いつめていく。暴れまくる由紀枝を俯伏せに転がして馬乗りになった外志夫は、浴衣の細帯で後ろ手に拘束した由紀枝の体からスーツとスカートを剥ぎ取り、猿轡を噛ませたうえで引き起こしてブラウスを剥き取る。スリップとブラジャーの肩紐が掛かっただけの白い肩を慄わせつつ苦悶の汗を絞る由紀枝は、スリップを剥がれブラジャーのホックをはずされて、羞恥の呻きとともに乳ぶさを剥き出しにされて身悶える。ふくよかなふくらみを揉みしだかれ乳首をつまみまわされたお嬢さまは、昂ぶりに喘ぎ泣きつつ抵抗の気力を喪い観念しきったまま、外志夫が持ち出した麻縄であらためて緊縛されていく。剥き身にされた上半身を後ろ手に縛られ乳ぶさを絞りあげられ、固いいましめを首から腰へとほどこされた由紀枝は、惨めな緊縛姿を通路に引きずり出されて鏡の前に曝し立たされる。羞じらいに泣き喘いで悶える体を天井のフックに吊り下げられて爪先立ちにされた由紀枝は、最後に残ったパンティを尻だけ剥き下げられたうえ、股間にきつい股縄を掛けられ、両脚を閉じ合わせたまま足首と膝の上をひとつに縛りあげられる。緊縛立ち吊りを鏡の前に放置されて被虐の昂ぶりに女体を侵され始めた由紀枝の前で、羽根ぼうきを持ち出した外志夫は、眼を剥き猿轡を噛みしめて拒絶の身悶えに呻きのたうつお嬢さまの裸の素肌に、繊細で邪悪なくすぐりを這わせていく。乳ぶさから臍、腰から脾腹、尻から太腿へと羽根でくすぐりまわされ、総身をわななかせ泡を噴きながら汗と涙にまみれて半狂乱にのたうつ由紀枝。憔悴しきった由紀枝の猿轡をはずして口移しに水を飲ませた外志夫は、完全に屈服しきったお嬢さまをなおも許さず、さらなる辱めのために再びベッドに追い上げる。下肢のいましめだけをはずされた由紀枝は、あぐらを組まされて縛られた下肢の縄を首から後ろ手の縄に繋ぎ留められて、屈辱的なあぐら縛りの姿を仰向けに転がされる。淫靡ないたぶりに濡れそぼった股間の秘裂をパンティの上からなぞられて悲痛な泣き声を噴き上げる由紀枝は、下腹をかろうじて覆うパンティの前に鋏で切れ目を入れられて裂き拡げられ、パンティを履いたままの姿で恥毛と女性器を暴かれていく極限の辱めに慟哭する。ひとつまみの繊毛を切り取られて汗まみれの乳ぶさの上に振り撒かれ、官能に爛れて濡れそぼつ秘肉をなぶりまわされ、パンティを完全に剥ぎ取られてむき出されたアヌスに触れられ錯乱する由紀枝。観念しきって朦朧となった顔を髪を掴んで仰向かされたお嬢さまは、外志夫の怒張を口に押し込まれ、生まれて初めての口淫奉仕に泣きむせぶ。あぐら縛りのまま俯伏せにされたお嬢さまは、服従の言葉を拒んだ罰としてアヌスに指を突っ込まれ、汚辱に泣き叫んで腰を振りたてながら子宮を剛直で突き上げられていく。前後の秘腔を埋められたまま生まれて初めて知る激烈な快楽を凌辱のさなかに味わわされたお嬢さまは、淫らな歔き声を放ってのたうちまわった果てに、女の悦びを告げる叫びを口走りつつ総身を痙攣させて昇りつめた。
なに覆うものもなくさらけ出された腰まわりの頼りなさが、ジワジワ意識をむしばんでくる。
由紀枝はその後もたびたび外志夫に呼び出されてマゾの悦びを教え込まれていった。上城しのぶとの対面のために再びXフロアに連れ込まれた由紀枝は、外志夫の命じるままにパンティ一枚の姿になって後ろ手に厳しく縛られ、柱に立ち縛りにされたまま放置される。由紀枝を置いてクラブ「らいの」に赴いた外志夫を、「桃苑会」の先輩である謙介がしのぶとともに迎える。「犀の会」の例会に今日子を出品するのが惜しくなった謙介は、外志夫からしのぶを借り受けて身代わりに立てようと合意していたのだが、新人奴隷の由紀枝の話を耳にして興味をそそられていた。三人は連れだって部屋に戻り、眼隠しをされたまま怯えに身悶える由紀枝の体を吟味する。しのぶのみならず別の男にも見られていると知って羞恥と狼狽に泣き叫ぶ由紀枝は、鞭で脅されながら屈服の言葉を口にさせられ、謙介の手でパンティを剥き下ろされ全裸をさらけ出す。羞じらいに泣きじゃくる由紀枝の前でしのぶも服を脱ぎ捨てて見事な肢体をあらわにする。どちらの女が奴隷としてふさわしいかを吟味するため、謙介はしのぶを由紀枝の正面に両手吊りにぶら下げて、革ブラジャーと二本の淫具のついた革褌を装着させる。
前に入っているものと薄い粘膜を一枚へだてて、それと擦れ合うように入って来る感覚のたまらなさに、由紀枝は歯をガチガチ鳴らして泣いた。
しのぶは淫薬の刺戟に責められて女体をうねらせつつ身悶える。先輩奴隷の淫らな踊りを見せつけられながら、由紀枝は立ち縛りの裸身を謙介の手でいたぶられて怯えに戦慄する。しのぶの秘腔に埋められているのと同じ黒い淫具を持ち出され、淫靡な振動で乳ぶさと股間をいびりまわされた由紀枝は、こみ上がる肉の愉悦をこらえきれずに腰を振りたててもがき抜く。自ら鞭打ちを哀願したしのぶが、尻に打ち込まれる外志夫の鞭に快美の叫びを放ってのたうつのを、由紀枝は乳ぶさを謙介に揉みなぶられながら見せつけられる。乳ぶさを鞭でしばきあげられる激痛に絶叫しながらマゾの悦びを極めて総身を痙攣させ昇りつめるしのぶを目の当たりにして、恐怖に慄えあがる由紀枝にも、これから同じ責めが待ち受けているのだった。しのぶを解き放って由紀枝を同じ場所に吊るした謙介は、怯えわななく由紀枝の前で革褌に二本の淫具を装着し淫薬を塗り込めていく。みじめに哀訴する由紀枝の片脚をかつぎ上げた謙介は、いたぶりに濡れそぼった由紀枝の前後の秘腔に淫具を押し込み、屈辱と苦痛に慄える初々しい女体を革褌で締め上げる。秘肉を爛れさせる淫薬の刺戟に女体を灼かれて、由紀枝は鏡の前で腰を振りたててみだらな踊りを踊りつつ懸命に肉欲に耐える。淫具の振動を入れられた由紀枝は錯乱の悲鳴を噴き上げながら、謙介の腕の中でなぶられる裸体をのたうたせうねり舞わせる。焦らしたてるような振動に責めぬかれ、肉欲の解放も得られないままあぶら汗にまみれて苦悶する由紀枝は、鞭打ちを懇願する屈辱の言葉をしのぶに向かって口にさせられる。嘲るようなからかいとともにうねる尻に鞭をたたき込まれ、喜悦に歔きわめきつつ錯乱した女子大生は、褌に締め上げられた尻に赤い鞭痕を刻みつつ快楽をきわめて痙攣する。すべての矜りを失って奴隷の境遇を受け入れた由紀枝は、後ろ手に縛られた裸身をしのぶとともに正座させられ、首輪の鎖を男たちの手に握られたまま、突き出された怒張をしゃぶって奉仕する。俯伏せに押し伏せられ、後ろから貫かれて喜悦の叫びをあげる女たちは、次いで尻の穴にクリームを塗り込められアヌスを犯される。謙介の愛する妻の代わりに奴隷として出品されることになった新入りの奴隷は、尻を犯されながら喜悦の歔き声を噴きこぼし続けるのだった。
今夜の由紀枝は黒いレースのスキャンティに黒のストッキング、黒のエナメルハイヒールという下半身と、上半身を朱縄でいましめられている。
「鳳凰の間」で開かれる「犀の会」の例会には、会員が調教した四人の女を奴隷として売買する宴が企画された。ステージの前に四本の曝し柱を立てた台が設置されている大広間で会員の男たちが立食パーティーに興じているのとは対照的に、ステージ裏の仕度部屋で出品の準備をほどこされている四人の女たちは屈辱と恐怖に慄えわなないていた。堀江謙介によって妻の身代わりに売りに出されることになった女子大生立松由紀枝、佐古貞義の手で調教され尽くした銀座のママ三谷佑子、秀一郎と華英の愛玩物に堕ちた人妻小杉眉子、そして亡き千種忠平の愛人で渋谷のフランス料理店オーナー河野希世子。腰に布一枚だけをまとったあられもない半裸をそれぞれに緊縛された奴隷たちは、期待に昂ぶる会員たちの前で、スポットライトに照らしあげられたステージに縄を曳かれて連れ出される。気も遠くなる羞恥のなかでそれぞれの高貴な素性を暴かれ、奴隷に堕ちた肉を衆目に曝してうなだれる女たちは、一列にならんだ曝し柱にくくりつけられて、腰の布を一斉に取り去られる。羞じらい身悶える女体を取り巻いて、会員たちの熱気と興奮に満ちた視線はあからさまになった女たちの下腹へと集中していく。