生家は没落し、そこから巣立った白鳥は羽根をもがれて、今や転落の道を歩み出そうとしている。
まだ寒さの残る早春のある日、銀座の一流クラブの裏方を務める坂上は東京を遠く離れて北国の港町を訪れる。鮮烈な青さをたたえる北国の海に詩情を誘われつつ土地の旧家へと向かう坂上の目的は、その旧家の末娘で、法事のために帰省しているホステスの月子を迎えに行くことだった。喪服に身を包んで現れた月子は坂上の思いがけぬ来訪に驚きつつ、自分が店から逃亡を疑われている身と知って暗澹とする。ホステスの月子は、懇意にしていた客の会社が倒産したことにより多額の焦げつきを店に生じさせ、五百万円におよぶ借金を背負うことになっていたのだ。生家も没落し、今や下流のクラブに身を落として体を売るしかない運命を前にした月子の悲壮な姿に美しさを感じつつも、坂上は、月子を連れ帰る途上の宿に、すでに最初の客を斡旋していた。
月子は悲鳴をたてまいと唇を噛みしばって敷居ぎわまで引きずられた。
月子が連れ込まれたのは、K市近郊の奥まった山間にあるY温泉だった。深山幽谷のなかにたたずむ宿屋に導き入れられた月子は、奥座敷で待っていたその夜の客が、ホステス時代に嫌い抜いていた下卑た中年男・小平だと知って暗然とする。ラブホテルやトルコ風呂をチェーン経営する小平は、月子の借金を全額肩代わりするのと引き替えに、振られ抜いた月子の肉体を思うがままに弄ぼうと待ち構えていたのだ。傍にはべらせた稚い芸妓・梅子の後ろ手に縛られ露わにされた胸元をなぶりながら、小平は、覚悟しきれずに嫌悪と反抗の風情を示す月子を追いつめていく。梅子もまた、宿屋の跡取り娘だったところを宿屋ぐるみ小平に買い取られ、高校を卒業してすぐに芸者の修行をさせられていたのだった。女子大を卒業して一流商社に勤めていたこともある二十六歳の一流ホステスに対して小平が告げたのは、ひと晩かけて卑猥な情欲のなぶりものにされたあげく、その後は借金を返すためトルコ風呂で稼がされるという汚辱の運命だった。下劣さを剥き出しにした小平の振る舞いに嫌悪のあまりその場を逃れようとした月子を、坂上が引きずり倒して後ろ手錠をかける。梅子が小平の怒張をしゃぶらされて淫技に没頭していくのを、髪を掴まれて間近に見せつけられる月子。なおも屈服を拒もうとする月子に陰惨な辱めを予告した小平は、坂上に命じて月子を鴨居から吊らせる。前手縛りにされた両手を頭上に吊り上げられ、爪先立ちに引き伸ばされた美女の肉体は、はかない身悶えにはびくともしない古びた梁の下で、屈辱の踊りを踊るばかりだった。
月子の汗に光る鳩尾は激しく波立ち、それにつらなる真っ白な腹が縦長の臍のくぼみを中心に、ほとんどみだらなまでの起伏を見せる。
梅子に股間をなぶらせつつ見物する小平の前で、坂上は屈辱にわななく月子の体から衣服を剥ぎ取っていく。ワンピースドレスを裂き取られたうえ、二の腕をきつく縛り合わされて顔を伏せることもできなくされた月子は、羞恥に慄える肢体をスリップの上から撫でまわされる。スリップを引き裂かれストッキングを剥き下ろされつつ、哀訴の悲鳴を懸命に押し殺す月子。ブラジャーとパンティだけにされた半裸の素肌を坂上の指でいやらしくなぞりまわされた月子は、次いで肩紐を切られストラップをはずされたブラジャーをじわじわと剥き取られて羞恥に悶えながら、白い乳ぶさを男たちの眼に曝した。小平に乳首をつままれ乳ぶさを揉みたてられて、月子は汚辱の絶叫を慄わせつつも、敏感な女体に秘めた性感を巧みに煽りたてられていく。坂上と小平に左右から取りつかれ、乳ぶさも脾腹も最後に残ったパンティの前後もいやらしくなぶり抜かれて屈辱に悶えながら、月子の肉体は快楽に崩壊していく。汗まみれになった月子の体をさらに爪先立ちの限界まで吊り上げた坂上は、小平への屈服の言葉を月子に強要し、拒み抜く月子の前に乗馬鞭を持ち出す。鞭打ちの恐怖におののきながらも観念しきれない美人ホステスは、小平に尻を向けられパンティの後ろを剥き下ろされて、露わになった双臀に鞭を叩きこまれる。尻に鞭痕を刻まれて悲痛な悲鳴を迸らせながら、美人ホステスは打たれるたびに裸身を半回転させ、みじめな踊りと苦悶に歪む美貌を小平の眼に曝しつつ弱っていく。体の前面を打たれると脅された月子はついに屈服し、下腹をわずかにパンティで覆われた裸体をぐったりと伸び切らせたまま、小平への服従の言葉を口にさせられるのだった。
月子は、ほっそりしたうなじを投げ出し、鳩尾に汗をしたたらせ、白い腹を喘がせ、内股から爪先にかけての筋を引きつらせながら、瀕死の者のように泣き続ける。
小平はむせび泣く月子の体にむしゃぶりついてパンティを引きずり下ろし、下腹の繊毛に顔を埋めて愛撫する。全裸を吊られたまま男たちの酒の肴にされ体の前後を鑑賞され尽くした月子は、吊りをゆるめて坂上が持ち出した肘掛け椅子に掛けさせられる。脚を肘掛けに乗せるよう命じられた月子は嫌悪と憎悪に泣き叫びながら、坂上の非情な打擲に屈服させられて浅ましい開脚縛りにされ、濡れをたたえた股間を開かされる。月子は閉じるすべもない内股に小平の卑猥ないたぶりの手を這わされて、悶え泣きながら昂ぶりを煽られていく。月子を媚薬で責めるよう坂上に入れ知恵された小平は、屈辱にわななく月子の秘裂と肛門に淫靡な塗り薬を塗り込める。たちまち激烈な肉欲に灼かれ始めた美女は、梅子も含めて皆が見守るなかで汗にまみれて悶え抜き、秘肉を苛む掻痒感からの解放を求めて惨めな哀訴を噴きあげる。小平に命じられるままに卑猥な女性器の名を口にした月子は、かつて嫌い抜いた男に唇を奪われ唾液を流し込まれても、もはやなすがままであった。小平は赤い蝋燭を持ち出して動転する月子の尻の穴に差し込み、激烈な愉悦にのたうちまわらせる。直腸を刺戟される激烈な快楽にのたうちまわらされた月子は、淫液を垂れ流す前の秘裂にさらにバイブレーターを押し込まれて総身を官能に崩れさせていく。前後の秘腔を埋められたまま小平に乳ぶさを揉まれ口を吸われる月子は、剥き出しになった肉芽を坂上の手にした筆でくすぐられ、総身を痙攣させて昇りつめ失神する。
突き出している震源の尻が淫靡なうごめきを見せて、あたかも更に奥深くもぐり込もうと、【もが】いているように見える。
二本の淫具を股間に埋め込まれたままぐったりとなった月子の目の前に、小平は醜悪な怒張を突きつけて口淫を強いる。嫌悪に顔を振りたてて逆らう月子を屈服させるため、坂上はバイブレーターの振動を入れたうえ蝋燭を抽送して爛れた女体を責めあげる。肉の快楽に灼かれつつ朦朧となった月子は、さしつけられた小平の怒張に舌を差し伸べて、凄艶な屈服の姿をさらけ出していく。両手を吊られて開脚縛りにされ、股間に二本の淫具を埋められたまま、顔を仰向けにして男の怒張をしゃぶらされている全裸の美女の完膚なき屈服の姿に、坂上も欲望を抑えきれない。
涙がしたたり鼻汁が垂れ、唾液が唇の端から白い泡になってあふれた。
梅子を連れて風呂場に入った坂上は、屈託なく絡みついてくる梅子の若々しい女体を愛撫する。タイルに仰向けに横たわった坂上は梅子を逆しまに乗せ上げて股間の怒張をしゃぶらせながら、小平に剃り上げられた梅子の下腹を見て、同じように剃られたときの月子の姿に思いを馳せる。小平が後ろ手に縛りあげた月子を連れ込み、羞じらう月子を湯舟に引きずり込んで抱きすくめる。坂上の好奇の眼に曝されながら、月子は、屈辱の奉仕の果てに小平の精を呑み込まされて自らも絶頂を極めたことを告白させられるのだった。
激しく上下から注ぎ込まれるもので、女体はあふれんばかりであった。
梅子を下がらせて座敷に戻った小平と坂上は、縛めを解いた月子を布団の上に引き据えて、娼婦となるための誓いの儀式を強いる。怒張をそそり立たせて並んだ二人の男の前に跪いた月子は、激しい羞恥にあらがうのを強いて押し伏せられ、手と口で左右の剛直に淫らな奉仕を捧げていく。布団に仰向けに転がされて拡げた四肢を縛りつけられた月子は、凌辱の恐怖と汚辱にわななきながらも観念しきったように肢体を投げ出す。小平の手で秘肉に淫薬を塗り込められ、坂上に首を抱えられ唇を吸われながら昂ぶりに燃え上がっていく月子の肉体。小平の怒張で貫かれ責めたてられた月子は激烈な快楽にのたうちまわり、汗まみれの裸身を反り返らせて絶頂を極める。坂上の怒張を口にねじ込まれ、さらに休むことなく責めたてられた月子は、再び昇りつめると同時に上下から精を注ぎこまれて痙攣を繰り返す。
外が明るみ小鳥の囀りが聞こえる時間になっても、その夜の凌辱はまだ続いていた。もう何度昇りつめたとも知れぬ月子の女体は、無理やり飲まされた精力酒によって肉欲だけを煽られ続け犯され続ける。後ろ手に縛られ乳ぶさを絞りあげられた姿で坂上の腰にまたがらされている月子は、眠気と疲労で朦朧となりながら、頬を張られて小平の怒張を咥えさせられる。男の汚物溜めにされたにも等しいその苦役こそが、翌日から東京で月子を待ち受けている運命そのものであった。
月子は頸を筋張らせ唇を噛みしばって噴きあげる屈辱に耐えている。
副都心のはずれにそびえ立つ十五階建てのレジャーセンターが小平の本拠地であった。室内テニスコートや温水プール、サウナバスなどを備えた豪奢なレジャー施設を装ったそのビルには、一般の者が入ることのできない裏の顔とも言うべき上層階があった。その最上階の住居にしているペントハウスに月子を連れ込んでいた小平は、昨夜も嬲り抜いた月子を全裸のままベッドに拘束して添い寝させたまま朝を迎える。両手を頭上に引き伸ばされ下肢を拡げてベッドの両側に縛りつけられた月子は、苛酷ないたぶりに困憊しきって寝くたれていた。施設の監督者として小平の留守を預かっていた「マダム」と呼ばれる三十代の女が寝起きの小平にかしずく。本名を志摩というマダムは小平のかつての愛人で、施設全体を監督する強大な権威を与えられていることを誇示するかのように、豪勢な衣裳をまとい乗馬鞭を手にしていた。小平に従って寝室に入った志摩は、毛布を剥ぎ取られてようやく目覚めた月子を罰するように、すくみあがる白い裸身に鞭をたたきこむ。四肢の拘束を引き絞られ、朝日の中に仰向けの裸体をさらけ出された月子は、冷酷な年上の女の手で秘裂を剥きあげられて屈辱にわななく。新入りの奴隷となった美女に対する調教計画を小平と志摩が話し合っているところに坂上が現れ、施設の新任調教師として迎えられる。
柔らかな肌から翳りをひとすじひとすじそぎ落とされてゆく感触が、無残な音となって月子のわななきおびえる胸をさらにさいなんだ。
風呂から出された月子は対抗心をあらわにした志摩の手で後ろ手に厳しく緊縛され、胸縄と首縄をかけられ化粧をほどこされた裸身を引き据えられて屈辱にむせぶ。午前十時、調教室に集められた二十人ほどの女たちの前に、新入りの娼婦となる月子が全裸緊縛の姿で引き出され曝しものにされる。壁の鉄環に縄尻をつながれ美しい肉体と容貌を環視の中にくまなくさらけ出された月子は、屈辱の涙をほとばしらせながら、調教初日を迎える挨拶を強いられていく。鎖つきの足枷を足首に嵌められ、泣き叫びながら開脚の姿に固定されて恥辱にがっくりとうなだれた月子の足元に、剃毛の道具が整えられる。嗚咽する月子の股間ににじり寄った小平が、すすり泣く月子の下腹から繊毛を残らず剃りあげる。飾り毛を失った肉の割れ目を皆の見せものにされて屈辱に慟哭する月子は、壁から解き放たれて椅子にかけた小平の足元に引き据えられる。環視の中の口淫奉仕の汚辱に、嫌悪もあらわにあらがった月子は、志摩の手で尻にたたき込まれる厳しい鞭の苦痛に負けて、尻に鞭痕を刻み込んだ惨めな姿で苦鳴と慟哭を噴き上げつつ、美しい唇に男の剛直を咥え込んでいった。
月子は気息えんえんといったさまで、うわごとを口走りながら、よだれをわななく唇の端から垂れ流し始めた。
坂上の部屋で起居をともにしながらの月子の調教の日々が始まる。昼間は着衣を与えられていても、男の命令に応じていつでも全裸を曝さねばならない境遇のなかで、月子の胸中に諦念と媚びが芽生え始めていた。ベッドに仰向けに横たわった坂上の体に身を伏せて男の肉体を隅々まで舌で愛撫させられる月子は、無毛の股間をあからさまに曝しつつ、みずからも昂ぶりに衝き上げられて淫らな歔き声を放つ。
月子のアヌス調教に加わりたいと言い出した志摩に対して、坂上は志摩自身が月子にアヌスの快楽の手本を見せるよう求める。恥辱に逆上する間も与えず志摩に掴みかかった坂上は、鞭を取り落とした志摩の体を抱き寄せ激しく愛撫して、マゾの資質を秘めた驕慢な女監督を籠絡する。ドレスを剥がれ、ベッドに俯せに転がされて後ろ手錠に首輪を嵌められた志摩は、ガーターベルトのはざまから尻を剥き出しにして屈服の風情をまとう。呼び出されて別室から連れ込まれた月子は女監督の惨めな屈服の姿をそこに見て、誇りを傷つけられた志摩からの仕返しがいずれあることを予感してわななく。全裸にした月子を調教柱に後ろ手に立ち縛りにした坂上は、恨みを訴える志摩の尻を高くもたげさせて鞭でしばきあげる。新入りの奴隷女に見られながら尻をしばかれる屈辱にマゾの本性を掻きたてられて、腰を振りたてながら秘肉を濡らしていく志摩。鞭の柄をアヌスに突き立てられた志摩はベッドに上体を押し伏せられたまま、月子に見せつけるように坂上の怒張をしゃぶらされて恥辱にむせぶ。背後から尻を貫かれた志摩は泣き叫びながらたちまち絶頂を極めて伸びきる。アヌスの快楽の凄まじさを見せつけられて恐怖におののく月子は、浣腸とアヌス拡張の調教を宣告されてみじめに哀訴する。柱からほどかれて床の上に押し伏せられた月子は、嫉妬をあらわにした志摩の手で浣腸器を尻に突き立てられ、おぞましい薬液を注ぎ込まれながら未知の情感を煽られていく。風呂場のタイルに汚物を捲き散らす惨めな排泄を二度にわたって繰り返させられた月子は、爛れたアヌスを坂上の指でなぶられながらアヌスの快楽に向けて暗示をかけられていく。後ろ手縛りの裸身をレザー張りの低い台に俯伏せに固縛された月子は、軟膏を塗り込められてほぐされたアヌスに細身のバイブレーターを押し込まれて、異様な感覚に尻を振りたててのたうつ。折しも部屋に姿を現した小平は、まもなく月子のアヌスが使えるようになると聞かされて相好をくずす。深々と押し込まれた淫具の振動を入れられ、尻を痙攣させながら苦悶に泣き叫ぶ美貌を小平に曝し上げられる月子。美女の悶える腰に志摩の鞭が弾け、もう一本の太い淫具が濡れそぼつ秘裂に押し込まれる。前後の秘腔を責められ白眼を剥いて苦悶する月子の口に、小平は猛りたつ怒張を押し込んでいく。後ろ手縛りの全裸を這いつくばらせ、肉腔をことごとくふさがれて苦悶と快楽にのたうちまわる美しい肉体には、かつての誇り高い一流ホステスの面影はどこにもなかった。激烈な快楽のさなかに激しく昇りつめ、よだれと愛液を垂れ流して悶絶した月子を見降ろしながら、小平と坂上は、間もなく実現する月子の凄惨なアヌス破瓜の時に欲望を昂ぶらせるのだった。
月子がうしろにまわした腕を前後に動かすたびに、乳ぶさが、ちっちゃな乳首をツンととがらせてブリブリ揺れ、鳩尾がほの白く光った。
調教の日々の果てに月子はアヌスの調教まで完成され、坂上と小平に前後から同時に貫かれて快楽にのたうちまわる娼婦へと変貌した。坂上の精を呑まされる苛酷な調教ののち坂上にはべって夜を明かした月子は、目覚めたばかりの裸身を坂上の前に曝し立たされ、下腹に恥毛が生え始めた娼婦の女体をくまなくさらけ出す。月子は坂上に命じられるまま股間に指を差し伸べて立ったまま自慰を演じてゆく。肉欲に身悶えながら、もう一方の手でアヌスを責めあげるよう命じられ、痴態を晒していく月子。おのが肉を責めたてながら坂上の股間に跪いた月子は、汗にまみれつつ娼婦の奉仕にふける。月子が最初の客を取らされる日が近いことを言い渡した坂上は、思いあまって慟哭を噴き上げる月子の口の中に怒張を荒々しく押し込むのだった。
乳ぶさがピチッと上下をロープに挟み込まれ鳩尾を縦縄で絞りあげられて、はち切れんばかりにとび出した。
数日後、月子は下着を許されぬ体にドレスを着けた姿で車に乗せられ、レジャーセンターの外へ連れ出される。二か月ぶりに眼にする屋外の光景を、もはや遠いものに感じる月子。運転する坂上に命じられた月子はドレスの上半身を脱ぎ去って白い肉体をあらわにし、坂上の股間に手を差しのべて従順に愛撫しつつ、転落の運命よりはむしろ死を望むかのようであった。高級料亭に連れ込まれた月子は客を取らされることを悟り、客が一流ホステス時代の知り合いだと予感して沈鬱に沈み込む。だが、坂上に引き据えられて座敷に平伏し、そこで小平と酒肴を共にしている二人の客の正体を知ったとき、月子は自分が落とされた罠の卑劣さを初めて知ることになった。それは多額のツケを残して姿をくらまし月子に負債を負わせたM商事の重役たちであり、彼らは会社の倒産とは別にまんまと個人資産を隠しおおせて、高嶺の花の一流ホステスから娼婦へと堕とされた月子を小平から買ったのだ。店に来るたびに月子の腰を抱き寄せ手を握りしめた富川と、冷淡を気取りつつ不気味な愛撫を月子の尻に這わせてきた仁科。下卑な男たちが払うべきツケを踏み倒され背負わされ、そのために娼婦に堕ちなければならなかった身をいま当の男たちによっていたぶられなければならない凄惨な運命に、耐えきれずその場を逃れようとした月子は、坂上にねじ伏せられ平手打ちされて、後ろ手錠をかけられた体を引き据えられる。好色な男たちの視線の中でドレスの上半身を剥かれ、豊かな乳ぶさを坂上になぶられつつ美貌を屈辱に歪める月子。手錠をはずされた月子は剥き身の上半身を後ろ手に縄掛けされ、胸縄と首縄に締めあげられた隷属の姿をさらけ出す。床に転がされてスカートを引きずり降ろされた月子は、下着も着けずガーターとストッキングだけの姿を鴨居に吊られて爪先立ちにされる。剃られた毛が生え初めている無様な下腹のありさまを男たちの眼にさらけ出し、小平に顔を曝し上げられて忿辱に痙攣しながら、月子は涙をしたたらせる。富川と仁科の手で乳ぶさと下腹を撫でまわされいじりまわされて、屈辱に泣きつつ身をよじる月子。ガーターとストッキングを剥かれて全裸を曝した月子は、客たちへの感謝の口上を強要され、坂上の鞭を尻にたたき込まれる苦痛に負けて、惨めな屈服を受け入れていく。
あやつられて息を切らし腹を波打たせる月子はもう完全な快楽の奴隷だった。
魂を喪ったようになった月子は鴨居から降ろされ、床に敷かれたマットレスに後ろ手縛りのまま横たえられて富川と仁科の手で両脚を割り裂かれていく。羞恥にむせび泣きつつ足首を大股開きに縛りつけられた月子は隠すすべもない女の秘奥を二人の男の眼に曝し、小平に唇を奪われ乳首を責めたてられる。二か月にわたる調教によって性感を磨き抜かれた女体が淫靡に崩れて愛液をにじみ出させるのを、息を呑んで見つめる富川と仁科。すすり泣く月子の下腹から生えかけの恥毛を手分けして剃り取った二人の客は、小平から渡された淫薬を月子の前後の秘腔に塗り込めていく。媚肉に淫薬をまぶされたまま放置された月子は、悠々と酒を酌み交わす男たちに向かって、腰を振りたてながら凄艶な哀訴を口にする。富川と仁科はそれぞれ淫具を手にして、月子の前後の秘腔を焦らしつつ押し割っていく。膣と肛門を淫具でふさがれ体内で擦り合わされた月子は快楽の奴隷となって淫らによがり歔きながら踊り狂う。昂ぶりに喘ぎ歔く口に小平の怒張を押し込まれて従順に奉仕する月子の姿には、かつての一流ホステスの誇りの片鱗も残されてはいなかった。富川が小平に促されて月子の口に剛直を押し込み、興奮を抑えきれなくなった仁科もまた生身の屹立を月子の秘裂に突き立てていく。憎むべき二人の男に上下から貫かれて揺さぶられつつ、肉の快楽に灼かれてのたうちまわった月子は、激しく反り返って絶頂を極め、痙攣する女体の奥に二人の汚辱をたたき込まれた。
「時には激しく責めて息もつけないほどにして欲しいと思うこともありますわ」
【冬】季節が移り変わるなか、月子はレジャーセンターで金持ちの老人を相手に娼婦として働きながら時を過ごしていく。娼婦の運命を受け入れた女体が人工的な美しさを増していくのと対照的に、小平は月子への関心を失い、坂上もまたかすかな後悔に苛まれていた。退屈と寂しさをかこつ日々のなか、月子が唐突に行方をくらます。月子の自死を観念し許容さえするかのような小平の態度に接して、坂上もまた月子への愛惜を自覚する。月子を引き止め自分の女にするため、坂上は、月子が向かったに違いない故郷の港町へと向かって発った。